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学園ノ噺
リップ・クリーム



プルプル プルプル



あぁ、今日も彼の唇は僕と違って潤ってる。



「なに?」

「ん〜?唇がプルプルしてるなぁ、と思って…」



比べて僕はかさかさと乾いて、たまに切れてしまうこともあるくらいだ。
羨ましい…。



――――――――――――――



放課後、彼は転校生に連れていかれた。
僕は親衛隊に連れていかれた。



「ねぇ、いい加減生徒会の皆様に付き纏うのやめてくんない!?」

「平凡顔の癖にさ!」



僕は眉をしかめた。



「何だよ!生意気な目なんかし」

「プルプルだけど、プルプルじゃない。」

「「「……はぁ!?」」」

「唇。」



グロスを塗ったくったような唇は気持ち悪い。



「芦土!」

「あ、」



彼が息を切らしながら、僕を庇うように間に入ってきた。



「「「藍沢様!」」」

「コイツに何もしてねぇだろうな?」



親衛隊の人は頭をぶんぶんと縦に振る。
そしたら、彼はホッとした顔になった。

向き合った彼は、やっぱりプルプルな唇で、柔らかそうだなぁと思った。



「芦土?」

「やっぱり、プルプル。いいなぁ…うらやま、んむっ!」



あ、やっぱり柔らかい。
彼の唇は予想していた以上に柔らかくて、どうせならくっついた唇から…
……え?唇?くっ、ついた?



「!?」



チュッ…



「ごちそうさま、芦土。」

「あ あぅあぅ…」



僕はパニックになって、気絶してしまった。



――――――――――――――



あの後、彼から正式にお付き合いしたいと言われ、僕たちは付き合うことになった。



「芦土、」

「ん〜?」

「キスしよ?」

「うん。…ん、ちゅ……」



それと、わかったことが一つ…。
プルプルな唇はイジワルだってこと。



――――――――――――――



登場人物名

芦土(アシド)
・電波系平凡


藍沢(アイザワ)
・爽やか系イケメン





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あきゅろす。
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