学園ノ噺
3
そうこうしている間に、自分の番になった。
成る程…、受付している生徒は美形だった。
何ていうの?頭がよさそうな感じの美形。
眼鏡すごく似合ってるし。
で、とっつきにくそう。
ま、今後関わることなんかないさ。
「クラスと名前は?」
「Eクラス、枕木颯志です。」
「…もしかして、噂の芸術特待生?」
「う、噂?」
「…結構その話でもちきりなんだ。今年の外部新入生はすごいって。」
「そうなんですか。あ、でも騒がれるほどのことじゃ…」
「あぁ、すまない。カードキーを出してくれ。」
「はい。」
カードキーを提示してる間、周りからのひそひそ声と視線がまとわりついた。
カードリーダーに通して、軽やかにピッと音がしたあと、パソコン画面を確認した、おそらく先輩にカードキーを返してもらうと、即行でその場から離れた。
「あれ、どうしたの?」
「美季、この学園、こわ…」
「あ〜…。そうちゃんとこ碓氷先輩だったからね。興味持たれちゃった感じ?」
「う〜、そこはわからん。」
「まぁ、注目の的だから。外部生ってさ…。」
「ハァ…」
「ほらほら、行こう!あれ、席順のパンフは?」
「え?」
美季の左手を見ると、パンフが握られていた。
もしかしてオレ、やらかした!?
「アハハ!もう、仕方ないなぁ。一緒にパンフ見よ?」
「う、ごめん。」
早く離れたいがあまり、色々確認してなかった…。
やばい、恥ずい。
…埋まりたい。
「そうちゃん、学籍番号いくつ?」
「えっと…E19。」
「じゃ、ここだ。」
「あ、ありがとう。」
美季の示した席は、一番後ろ、中央通路から4番目だった。
「…美季と遠いな。」
「寂しい?」
「そりゃね。」
「っ!もう、可愛いんだから!襲っちゃうよ?」
「え、遠慮します。」
「ま、ぎりぎりまでは一緒にいようよ。」
「うん。」
あっちの道に引きずり込むとか、勘弁してほしい。
とりあえず、オレたちは入学式が行われる講堂を目指した。
その間にも、視線が集まって仕方ないったら…。
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