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学園ノ噺


大きい声で、謝れコール。
意味の分からないオレは、どうしていいんだかわからなくて思考が働かない。



「淳史!」

「あ、瑛多!」



なんか、また凄そうな人が来た。
食堂で声をかけられた人とはまた違って、王子様っぽい…かも?
焦った感じからして目の前の宇宙人生徒を探してたんだろうな。



「大丈夫ですか!君、この子に何かしたのかな?」



きっと睨みつけられて、思わずびくっとする。
こわ…。



「いえ、何もしていません。」

「嘘だ!オレの邪魔をしたじゃないか!」

「いや、でも助けてって…」

「うるさいうるさい!謝れよ!」

「っ…なんで」



あ、やば…。

そう思った瞬間には涙が零れてしまった。
最近涙腺弱いから、ちょっとしたことでも泣いちゃうんだよなぁ…。
意味わかんないし、危害加えたわけでもないのに。
睨みつけられるし…。
うぅ…早くみんなのとこに帰りたい。



「…みつけた。」

「うぇ?…!?」



…誰か、展開の速さについていけないオレを助けてください。

何でか、凄そうな人に抱きしめられている。
ちょ、きもい!
男同士で、きもい光景だから。
シュールだから!



「お前が、僕の運命の人…」

「あ、あの〜」

「名前を聞いても?」

「離し…」

「名前。」

「さ、先に」

「あぁ、そうだね。僕は園崎瑛多。さぁ、名前を教えて?」



違う!
先に離せって言おうとしたんだよ!
で、あわよくばとんずらしようと…。



「か、梶浦です。」

「下は?」

「瑛多!そんな奴どうでもいいだろ!」

「煩い。黙れ。」

「やだやだやだ!お前、瑛多から離れろよ!」



是非とも離れたいよ!

願いが通じたのか、思いっきり宇宙人生徒に引き離され尻もちをつく。



「なんてことを…。」

「ほら、早く行こうぜ!生徒会室でみんなと遊ぶんだ!」

「許さない…」



這いずるように低い声が怖かった。
が、このチャンスを逃せば、みんなのとこへ帰れなくなりそうな予感がしたので、宇宙人生徒を犠牲に見事とんずら成功させました。



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