[携帯モード] [URL送信]

学園ノ噺
ホールスタッフの戸惑い

至福の時間はあっという間で、すぐに仕事の時間が戻ってくる。
広い食堂を、オレ含め30人のホールスタッフできれいに掃除する。
厨房の方では、きっと12人の料理スタッフが皿洗いと夕飯の仕込みをしているとこだろう。



「ほんと、骨の折れる仕事だよな。」

「ぶつくさ言わない。それが僕らの仕事なんだから。」

「千葉さんってここに勤めてどのくらいでしたっけ?」

「ん〜…7年かな。早海と一緒に入ったからね。」

「へぇ…同期なんですか?」

「いや、腐れ縁。」

「早海さんとの付き合いも長いんですか?」

「付き合いとか気持ち悪いこと言わないでよ…。」

「あ、すいません。…?」

「ま、長いことには長いかな。従兄弟だし。」

「うえぇっ!?」

「いや、そこまで驚かなくても…。」

「いや、だって…」

「はいはい、無駄口はそこまで。さっさと片付けないと減給するよ。」

「そんな、横暴な…」



でも、減給は正直きついので無駄口叩かずに黙々と作業を再開した。

ゴミ出しをしようと、勝手口から出るとなんか茂みの方が騒がしい。
どうしたのかと思い、ひょいっと覗く。



「やめろ、やめろって!!」

「ゴチャゴチャ煩ぇな!」

「や、誰か助けっ!」



ドサァァァア…



「うわ、汚ぇ!!」

「誰だよ!出てきやがれ!!」



出てきやがれと言われて、出ていけるほど肝は大きくないから!
間違いなく、退職することになりそうだし…。
生徒に手を(ゴミを?)あげることが、どれだけ自殺行為なことか知っているけど、見てしまった以上見捨てることなんて不可能で…。



「チッ、こんなんじゃ任務遂行できねぇ。よかったな命拾いして。」



そう言って、柄の悪い男ども2人は被ったゴミを払って立ち去った。
ほっとして、危害を加えられそうになっていた子をに近寄る。



「大丈…」

「邪魔すんなよ!!」

「は?」

「オレだけでなんとかなったのに!あんな奴らになんか負けないもん!」

「………」

「オレは強いんだからな!それに…」



マシンガンより、すごいマシンガントーク。
情報整理が追い付かない頭で、何かめんどくさい人に関わったってことだけはわかった。
どうしようか…。



「とりあえず、謝れよ!」

「え?は?」



そして、謝れコール。
さっぱり意味が分からない。
ゴミを投げたから、多少付着しているもののカス程度で、2人のいなくなった生徒の方が凄まじいことになっていたんだが…。

オレもとりあえず、ひとこと言おう。
お前は宇宙人か!?



[*前へ][次へ#]

4/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!