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学園ノ噺
〜美季side〜
〜美季side〜



散々セックスした後に、シャワーに入ってたら誰かが入ってきた。
同室者が来るらしいとは前々から聞いていたがそいつだろうか?
挨拶、しないとね。

俺の隣の部屋を開けた。
そこには、モブ顔の冴えない平凡なやつ。
なのに俺の体には電流が走った。

気まずそうに寄せる眉とか、どうしたらいいかわからなそうにして目をうろうろさせる所とか、なんか可愛い…。
自分でも、それはないだろと思ったけど、下半身が反応し始めてびっくりした。
しかも、いつも使うケツじゃなくてだ。

俺は外見から主にネコしかしたことなかったから、違う意味でも感動してしまう。
まぁ、一応タチをやることもあるけどさ。
…とにかく、あれだけケツで感じてたのにちゃんと前だけが反応するんだもん。
やっぱ、俺も男なんだね。

思わず押し倒してボタンを外すと、色白ではないけどきめ細かな綺麗な肌が晒された。
ふと合った目が、外せなかった。
怯えた目、本人は気づいていないだろうけど、小刻みに震える体。

やばっ…!

ぞくっとするほどそそられる。
嗜虐心が煽られる。
今の俺は、オスの顔をしているんだろう。

男を寄せるための餌の『僕』ではなく、ありのままの男の『俺』。
初めてだ。
こんな感覚…。

と、押し倒した子の目からぼろぼろと涙があふれ出した。

あ、まずった…。

そう思って、謝る。
反省してないけど…。
額にキスすると、びくりと体を強張らせたが涙が止まったから良かったのかな?

モブ顔のそいつは、平凡ではなかった。
話をするうちに、けして中身はそうじゃないことがうかがえる。

だって、あの江藤先輩の部屋に上がったというのだから…。
それに、芸術特待でもあるみたいだ。
俺も芸術特待で元々は入ったから、なんだか嬉しかった。
まぁ、今年からはSクラスに所属だから彼、そうちゃんとは一緒ではないけれど…。
こんなことなら、わざと点数落としておくんだった。



「そうちゃん、学食と自炊どっち派?」

「え?あ〜…自炊、かな。いくら特待でも食事くらいは自分でやりたいし…。あ、でも昼は学食にしようかと思ってる。」

「そっか。じゃあ、そういうふうに連絡つけとくね。」

「…誰に?」

「親衛隊とか、セフレとか…」



あ、そうちゃんが死んだ目になってる。
そんなそうちゃんも可愛いなぁ。

一応言葉では、今は、セックスしないって言ったから、手は出さないけどつまみ食いはしちゃいそうだなぁ…。
我慢できそうにないもん。
ま、たぶんって付けたからいいよね。

でも、そうちゃんが自炊ってことは…



「ねぇ、俺にも作ってくれない?」

「いいよ。てか、そのつもりだったし。ってうわぁ!」

「そうちゃんマジ天使っ!」



やった!
そうちゃんの手料理とか嬉しい。

思わず抱きしめれば、もう体は強張ってなくてそうちゃんの警戒心のなさに驚いた。
さっき、あんなことしたのは自分だけど、こんなにも無防備だと心配になる。
いや、そうちゃんにときめくのは俺くらいだろうから大丈夫だとは思うけどね。
…大丈夫かなぁ。
無防備なのはいいんだけど、俺、そうちゃん襲わない自信が持てなくなってきたよ。



「あ、そろそろお昼時だし食堂行こっか?」

「…親衛隊は?」

「すぐ連絡するよ〜。」

「それなら…。あ、ついでに夕飯の材料買って来よう。荷物持ちしてよ?」

「え〜…」

「できるでしょ?働かざる者食うべからずってね。」



そう言って笑ったそうちゃんはマジで下半身にキた。

本当に楽しい学園生活になりそうだ!



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