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学園ノ噺


き、気まず!
そうだ、自己紹介しよう。



「あの、オレ」

「ねぇ」

「あ、はい?」



自己紹介させてよ〜。

部屋の入口の柱にもたれ掛かっていた同室者が、こちらへ歩いてくる。



「ねぇ」

「なな何でしょう!?」



どもった―!
恥ずい。



「君、経験、ある?」

「はい?」

「セックス。」

「はいぃぃぃい!?」



父さん、母さん、凜太郎…、オレ、早くも挫折しそうです。

すいっと綺麗な人差し指でオレの顎を上げられると至近距離に同室者の綺麗な顔。
行動が読めなくてどうしたらいいかわからないが、とりあえず今は逃げ出した方がよさそうだ。
万が一、が起こるわけないと思ってはいるが、世の中何が起きるかわからない。



「ね、シよう?」

「っ!」



ドンッと肩を押されて、倒れてしまったオレの上に乗っかる同室者。

あぁ…動転しすぎてさっきからこの人の名前が出て来ない。
いや、そんなことを気にしてる場合じゃないんだけどさ。

プチプチとボタンを外していく彼を見る。



「何?」

「ひっ」

「綺麗な肌…」

「や、やめ!」



目はぎらついて怖いし、ひたりと当てられた手が余計に恐怖を煽った。



「ふ、う…うぇ…うう!」

「!?」



思わず泣き出してしまうと、相手の動きが止まった。
それでも、泣いていると頭を撫でてきて軽くデコにキスをされた。



「!?」

「怖がらせてごめんね。」



びっくりして、涙も引っ込むとはこのことか…。

妙に納得していると、ボタンをつけ直され、手を引っ張って立ち上がらせてくれた。
一見するとそんな力なさそうなのにと思った。



「本当にごめん。君が可愛かったから…。」





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あきゅろす。
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