[携帯モード] [URL送信]

学園ノ噺


平和な日常が戻った。



「会長、これどうしたらいいですか?」

「テメェで考えろ。ガキじゃねぇんだから、企画の一つや二つや三つ、テメェでやれ。」

「ヒロリンは鬼だねぇ。+1ってかなりつらいのにさぁ。」

「テメェはやらなさ過ぎなんだよ、下半身が。去勢でもするか?」

「え、遠慮しま〜す。」

「なら、会長、確認だけしてください。」

「わかった。」



ガチャっとドアが開いて、栂池が帰ってきた。



「ただい、ま。」

「おぅ。…褒めねぇからな。んな犬みてぇな目で見られても褒めねぇから。」

「う〜…」

「唸るな。ったく早く報告し」

「ツ〜ルせんぱーいっ!」



バァァアンッ!



「八江沼ぁ、いつンなったらテメェは静かに入ってこれんだ!?あぁ?」

「ムリっす!先輩がいる限り、嬉しすぎて…」

「…何が?」

「怒鳴られたり、罵られたり。あぁん、最っ高!」

「死ね。マジで死ね。んで二度と生き返んな。」



ハァ…と溜め息を吐く。



「けど…最近は、先輩泣かせたくなるんスよね〜。」

「はぁ!?冗談も大概に…」

「あ、私も思いました。なんかぞくっと来るんですよねぇ。」

「俺も俺もぉ!会長の喘ぎ声も聞きたいけどぉ、泣き顔も見たいぃ。」

「そそ、られる…」

「………。」



平和な日常は戻った。
たしかに、戻ったはずだった。

だが、なんだ?
前以上に身の危険を感じる。
ひしひしなんてもんじゃない。びしびしと、だ。



「会長、すっごく虐めたい…。」



田中がニコリと笑う。
…怖ぇよ、田中。
俺の顔が引き攣る。



「会長ぉ、SMシてみないぃ?」

「せーんぱい。優しく泣かせてあげるッスよ?」

「泣い、て。」



フゥ…と息を吐くと宣言した。



「かかってくんなら、テメェらまとめて潰す。」



すると役員たちはニィッと欲を秘めたオスの顔で笑う。



「「「「上等っ!」」」」



それから俺が卒業するまで、役員たちは生傷が絶えなかった。



[*前へ][次へ#]

14/15ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!