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学園ノ噺


なんだかんだ言って、生徒会のやつらはいいやつばっかだし、生徒も頼もしい奴らばっかだ。

面と向かって、将来俺に仕えたい、と言ってきたやつらもいるのだ。
ちなみに、そいつらとは契約済み。
断る理由もねぇし、自ら率先して俺に仕えたいやつらに使えねぇやつなどいないしな。

生徒会のやつらも仕えたがったが、それだけは断った。
あいつらとは対等な、独立した立場にいたい。
同じ立場で競えるライバルになってほしいからな。



「俺を無視すんな!」

「っ!離せ。」



すっかり忘れていた転校生に、半端ない力で腕を掴まれ顔が歪む。



「やだ!」

「痛ぇんだよ。力加減くらいできんだろ、ノータリン。」

「そんなん今は関係ないだろ!いいから、名前教えろよ!」

「うっせぇな…。」

「あ、俺は」

「いい。聞く気ねぇし。一文の得にもなんねぇ奴の名前なんぞゴミみたいなもんだし。」

「得ならあるぞ!」

「なにいっ…んむ!」



………………。

…マジ、最悪。

周りの声も聞こえないほど、俺は一気に真っ暗な谷底に落とされた気分になった。

無意識にへたりこむと、誰かが抱きしめてくる。
守るように…。
けど、そんなことすらも今の俺にはわからなかった。



「きり…やぎ、り…夜霧…」



カツーン…



「聞こえた…、八尋。嗚呼…そこ、か。」



俺の耳にも届いた唯一の声。
幼なじみで、周囲の人から恐れられる、俺の唯一の存在。



カツーン…カツーン…



ゆったりと近づいてくる彼は、狂気も隠さずに真っ直ぐ俺のもとに来た。



「吉柳院、様…」



一人の生徒が思わず彼の名字を呼んだ。



「八尋、」

「夜霧…俺、あ、あぁ…」

「落ち着いて?大丈夫、私は八尋から離れない。大丈夫…」



抱きしめてくれる彼、吉柳院夜霧。
唇でそっと涙を吸い取られる。



「鈴木、」

「は、はい!」

「私の大切な八尋を守れ、と言ったはずだが?」

「す、すみま」

「すみません?そうだな。済むわけない。」



夜霧の怒りが揺らめく。
人とは思えないくらいの殺気、狂気、憤怒が空気を重く、暗く、歪める。



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あきゅろす。
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