学園ノ噺 2 一瞬で頭の中で毒づき、掴まれた腕を払う。 ついでに掴まれた所を掃う。 「触んじゃねぇよ。」 それから距離をとる。 ゴミの近くになんかいたくねぇよ。 腐臭が移りそうだ。 「な、なん」 「汚ねぇその格好もどうにかなんねぇのか?」 「ひ、人を外見で判断しちゃいけないんだぞ!」 外見で…判断するな? 「く…」 「わかったか!やっぱ俺は正し」 「ククク…アハハハハ!」 「ど、どう」 「テメェ、馬鹿じゃねぇの。初対面の人間を外見以外でどうやって判断すんだよ、あぁ?」 馬鹿だとは聞いていたが、予想以上の馬鹿だ。 「社会に出りゃ、外見でテメェの人間性を判断されんだぜ。ランクもな。だから大人は言うだろ?『身成りはきちんとしましょう』ってな。」 その点で、テメェはもう落第点なんだよ。 「でも、外見で判だ」 「そりゃ、そういう大人もいるさ。」 「だろっ!なら、お」 「ハンディキャップ持った方とかの話だがな。あとは、犯罪者か。」 うるせぇ声だ。 マジ死ね。 「か、会長様。」 「あ、悪ィ。待たせてたな、鈴木。」 いつまで経っても来ない俺を迎えに出たのか、俺の親衛隊隊長である鈴木がいた。 鈴木をはじめ、俺の親衛隊は可愛い子ばっかだ。 容姿が、じゃなくて性格が。 容姿は、可愛い子もいるが、イケメンもいるし、平凡もいる。 極め付けは…まぁ、所謂ゴリラとか…。 ゴリラなのに、すげぇ健気なんだよ…。 だから、嫌がれねぇんだよ。 ちなみに鈴木はかなりの美少女顔だ。 中身は男前だがな。 「あ!お前、親衛隊だろっ!」 「…それが何か?」 冷たい声に一瞬、ゴミが怯んだ。 「お前らがいるから、コイツは友達作れねぇんだぞ!」 「…無茶苦茶言ってんじゃねぇよ。会長様に友達がいない?思い込みも大概にしろや。本気で吊すで、ワレ。」 鈴木、口悪くなってんぞ。 まぁ、吉柳院一家の舎弟だから仕方ねぇか。 とにかく、悪い火種は消さなきゃな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |