学園ノ噺
外見?普通気にすんだろ
これといった進展もなく、ゴミ改め、転校生が来てから、一週間経った。
あぁ、ちょっとした進展ならあるか…。
田中と中新田が転校生から逃げれるようになったとか、転校生もちょっとは学習したらしく、特別棟の壁を昇らなくなったとか…。
最近、田中たちが陸上部の顧問に誘われてるのをよく見る。
「さてと…昼はどうすっかな。親衛隊の情報も手に入れてぇし…。」
「食堂はやめたほうがいいですよ。」
「ンなん行かねぇよ。どっかの誰かさんのように、自ら飛んで火に入る夏の虫にはなりたくねぇからな。」
ちらりと中新田の方を見遣れば、相当まいってんのか、作業机に突っ伏してる。
「…かい、ちょ……抱かせて……スー…スー…」
「寝てんじゃねぇよ!ついでにキモい夢見んな!」
相当まいってると思った俺が馬鹿だった。
頭を叩けば、いたぁい…、と涙目になりながらも起きる中新田。
「会長ぉ、暴力反対ぃ〜。」
「全てはテメェが悪い。ちっ…同情した俺を殴りてぇ…。」
あぁ、苛々する。
そういや今日は親衛隊との食事会だったか?
…愚痴でも聞いてもらおう。
「一般棟、行ってくるわ。」
俺はそう言って、一般棟の食堂の横にある会食室へ向かった。
「紫鶴院会長だ!」
「今日も輝いてらっしゃる。」
「抱かれたいなぁ…」
「会長に会えたから今日は吉日だ。」
相変わらず賑やかなことだ。
つか、最後の奴、俺は何かの言い伝えにでもなってんのか?
たしかに一般棟に来るのは一週間ぶりだが…。
転校生避けてたからな。
「おい、快適に学園過ごしてるか?」
「「「「「はいっ!」」」」」
「そりゃ良かった。そうじゃなきゃ、何で俺らが働いてんのか意味ねぇもんな。」
一般棟にはあまり来ねぇから、自分たちの運営が充分かは、こうしてみんなのいる場所で聞かなければわからない。
そういう意味では、特別棟と分かれてるのは不便だ。
食堂近くに行ったその時、俺は人生最大の最悪に見舞われた。
ガシッ!
「おい!お前、何て言うんだ!」
もじゃもじゃした頭、絵に書いたような瓶底眼鏡。
間違いようもなく、転校生改め、ゴミだ。
リサイクルもできねぇような。
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