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学園ノ噺
初めまして…かな?

心優しき神様、もとい江藤先輩の部屋に泊まった次の日の今日。
オレは、江藤先輩に何度もお礼を言いながら、覚悟して再び自分の部屋に戻ってきた。

もし、万が一、万が一!ピンク世界のままだったら、江藤先輩に泣きつこう。
それか、そ知らぬふり…は、オレができないな。
とにかく、いざ行かん!!



ピッ、カチャッ…



そっとドアを開け、ゆっくり靴を脱いで、緊張に暴れる心臓を何とか抑えもう1度リビングのドアを開けた。



「…ハァァァ。よ、よかった。」



目の前に広がる光景は、誰もいない普通の整頓されたリビングルーム。
緊張が一気にほぐれ、部屋に入る。

設備良いな。
キッチンとかIHかよ。
液晶テレビとソファーにガラス張りのローテーブル…ここは本当に寮か?
どこぞのホテルのスイートルームみたいなんだけど。
あとは、同室者の持ち物だろう物がちらほら。
そして、隣り合った2つのドア。

個室あるって言ってたよな?
これのどっちかがオレの部屋…。

どっちかわからんが、てきとうに開けてみるとビンゴだった。
段ボールがいくつかおいてある。



「寝てるのかな?それともいないのか…。」


ま、いっか。
いないなら、いないで変な気まずさを味わわなくて済むし。

オレは、サクサクと荷物を広げることにした。
あ、ちなみにデスク、椅子、ベッドは、寮のものを使わせてもらうことにしたので、実家のは持ってきていない。
一応、選択できるみたいで、寮のものでも自分のものでもいいらしい。
オレにとっちゃどっちでもいいからなぁ。
畳1畳分のスペースがあればオレの制作活動には響かないわけだし。

なるべく音を立てないように、荷物を片付けていく。
服をクローゼットに入れようとしたら、新品のクリーム色のブレザーが入っていて、
本当に入学するんだなぁ、と感動してしまった。
似合うかどうかは別として。

この学校は、分野別にクラス分けがされている。
理数系と文系は、A〜Cに成績別にごちゃ混ぜでクラス分けされ、教科ごとにクラスが変わる大変めんどくさそうな分け方をしている。
体育系は、Dに一纏めにされている。
そして、オレの入る芸術は、Eクラス。
あと、よくわからないがFクラスというのも存在しているようだ。
誰が集まっているのかは全くもって不明だけど。
そんでもって、最後にSクラス。
ここは、どの分野にも秀でた者しか入れない特別クラス。
ま、早く言っちゃえばオールマイティークラス。
だから、一応元々のA〜Fクラスに配属されていても、能力次第ではSクラスになるのだ。
すごいよなぁ…。
雲の上の人だよ。



「ねぇ、君…。」

「うわっ!!」



いきなり声がして、驚いて振り返ると、初めてこの部屋を訪れた時、上に乗っかっていた綺麗な少し可愛い感じの子がいた。
が、どうやらシャワー上がりらしく、髪が濡れて、下だけきちんと履いてるけど、上のYシャツは前が全開で、色気むんむんで…。
うん、反応に困る。



「えっと、あの、は、初めまして?」

「…初めまして。」



見た目に反して、低い声に歓迎されていない気がしてならない。
つか、初めましてじゃないけどな!!



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