学園ノ噺
2
「おい、どうした?」
くっついたまま離れない田中。
栂池の犬が移ったか?
「会長、」
「あ?」
「何なんですか?あの宇宙人!作り笑顔が気持ち悪い?あんなチンチクリンに言われたくありませんよ!」
「ちょ、抱き着いたまま怒鳴んな。耳が痛ぇ。」
「あ、すみません。」
とりあえずわかった。
転校生クンとは関わらないどこう。
嫌な予感ほど人間は当たるんだ。
「えぇ〜、そんなに変人だったのぉ?」
「変人レベルより宇宙人レベルです。訳がわからない。あぁ、下半身の方がまだいい。話が通じる。」
「わぁ、カタブツ君に褒められたぁ。」
「あ?貴様のタマ、ばんりきで潰すぞ。」
「すんません。」
…怖ぇよ、田中。
関係ねぇのに、股間を隠したくなる。
あの中新田ですら土下座してる。
しかもスライディング土下座。
いや、華麗だったな。
「…けど、そんなにぃ?アハ、俺見に行こうかなぁ。ヒロリンも行くぅ?」
「行かねぇよ。仕事あんだろ、仕事。テメェも仕事しろや。」
「俺、夜のオシゴトが忙しくて疲れてんだけどぉ。」
「自業自得だろ。第一、仕事じゃねぇだろ。この下半身が。」
じゃあ、お昼休みに行こぉ、とへらへら笑う下半身の気がしれねぇ。
自ら精神的苦痛を味わいにいくとかありえねぇよ…。
八江沼にすすめてみるか?
「にしても、何であんなゴミなんか編入許可降りたんですか?」
「知らねぇよ。頭だけは良いんだろ。代わりに人と成りがアレだけど…。」
「なるほど…。厄介ですね。」
あぁ、同感だ。
悪い予感しかしねぇ。
「こりゃ、一嵐来るな。」
「そうですねぇ…。」
まぁ、嵐に巻き込まれなきゃ、なんともないしな。
とりあえずは、関わらないことだな。
「ツルせんぱーいっ!」
バァンッ!
「だから、テメェはもっと静かに入ってこいやぁぁぁあ!!!」
バキィッ!
「ぐふぅっ!愛が痛い…」
これからの憂鬱を払うが如く、八江沼に回し蹴りをくらわせるが、嬉しそうな顔をしただけだった。
鳥肌が…。
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