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学園ノ噺
遭遇?とことん避けてやんよ

翌日、俺は田中に転校生を迎えに行くよう言った。
渋る田中はかなり手強かったが、まぁなんとか行かせることに成功した。
何で俺が行かないのかというと、昨日の理事長室での話に遡る。



――――――――――――――



コンコンコン…



「失礼します。」



中へ入ればどこの社長室だ、とツッコミたくなる相も変わらず立派な理事長室。



「いらっしゃい、八尋君。」

「理事長、書類下さい。」

「まぁ、まぁ、お茶でも」

「飲みません。」

「うぅ…連れないなぁ。はい、資料。」



渡された資料に載っている転校生の履歴、容姿。
一言で言おう。



「オタクキモい。」

「アハハ、やっぱそう思うよねぇ。」

「笑い事じゃねぇよ。こんなゴミを入れなきゃなんねぇのかよ…。どこまで、この学校は経営不振なんだ?」

「いやいや、経済的にはめちゃくちゃ潤ってますって。」

「じゃ、こんなゴミ入れんな。ゴミはごみ箱に入れろ。」

「あ、うん。そのごみ箱にさえ拒否られたんだって。」

「うちはごみ箱以下か?」

「ちょ、ヒドッ!お兄ちゃん泣いちゃうよ!?」



そうそう。
理事長は俺の兄貴だ。
血は半分しか繋がってないが。
名前は七夜っていう。
まぁ、早い話ブラコンだ。



「勝手に泣いてろ。」

「ヒドい…。」

「それよか、この転校生クン?から悪いニオイしかしねぇんだけど…。」



履歴には、かなりの数の暴力沙汰や、それに伴った転校が書いてある。
ついでに夜の世界にも手を出していたことがわかった。
とにかく、親が過保護で、甘やかして育てた感が溢れてる。
あぁ、嘔吐が出そうだ。
つか、出る。



「ま、俺は絶対ぇ関わんねぇけど…。」

「うん、そうして。でも、監視はよろしく。一つでも事件起こしたら即刻退学にするから。」

「はいはい。」



なら最初から受け入れんな。



――――――――――――――



というわけだ。
監視程度はするが、あんなキモいモノと交流したくねぇ。
だから面倒事は、田中に押し付けて、代わりにせっせと仕事を片付ける。

1時間して、蹴破る勢いで帰ってきた田中。
そのまま、ツカツカと俺の方に来ると抱きしめられた。



「…………………はぁ?」



やべぇ、やべぇ。
気圧されて反応できなかった。



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