学園ノ噺 王道?ンな訳ねぇだろ 我が高校は男子高である。 ついでにとある種の男子から見ると、『王道』らしい…。 俺は紫鶴院八尋。 生徒会長をしている。 「会長、これはどうしますか?」 「あ〜…、お前が適当にやっとけ。」 「ですが…」 「ハァ…テメェも生徒会役員なんだ。チビぃガキじゃねぇんだから、仕事の一つや二つや三つくれぇ、テメェでやれ。」 腹黒で有名な副会長、田中頼斗だが、俺にしてみれば母ちゃんの後ろを付いて歩く子供みたいだ。 性分なのか何なのかは知らないが、一々確認しないと気が済まないらしい。 まぁ、そのお陰でミスなんてものは現生徒会になってから、一度も起きたことがない。 「アハハ、一つや二つや三つ、ってそれは多いよぉ。流石に厳しいってぇ。」 「うっせぇ、下半身。テメェは田中のストイックな部分を分けてもらえや。そのうち病気にかかるぜ?」 「や〜ん!会長お母さんみたい。俺の下半身心配してくれるとかぁ。でも大丈夫ぅ!ちゃんとゴム付けてるからぁ。生で突っ込むのはヤヒロンだけだよぉ!」 「その呼び方やめろ。つか、テメェの粗チンすり潰すぞ。」 「え〜、粗チンじゃないよぉ!見れば…あ、それとも試し、ブフォッ!」 下半身、もとい会計の中新田新が田中の見事な回し蹴りにより沈められた。 …いや、見事過ぎて笑えねぇ。 ほんの少しだけ中新田に同情した。 「このゴミ虫が。」なんて吐き捨てたように聞こえたが、空耳ということにしよう。 「では、最終確認だけはしていただけませんか?」 「あ〜…。わかった。」 「ありがとうございます。」 ニコリと王子様然として笑う田中。 あぁ、拒否権なんか全くねぇよ。 拒否ったらやられる気がビンビンした。 何をって…よくわかんねぇけどさ。 ガチャ… 「た、だいま。」 「おぅ。」 「会議、やった。」 「報告してくれ。」 「やだ。ご褒美、先。」 テメェは犬か、と突っ込みたくなるだろうが…まぁ、実際犬みたいなもんだ。 一応書記なんだがな。 人様の前に立つときは、普通に生徒会役員らしく振る舞うが、生徒会室に戻れば、家に帰った犬のようになる。 「やだ、とかぬかしてんじゃねぇよ。生徒会なんてもんは、学校全体の雑用係みたいなもんなんだよ。全部、全部、ボランティアなの。わかるか?そこに褒美求めんじゃねぇよ。」 「う〜」 「唸るな。忠犬から駄犬に降格すんぞ、栂池。」 「やだ。今、報告する。」 そういうと、忠犬、もとい栂池謙司は片言ながらも報告し始めた。 今日の議題は学園祭についてだ。 まだ間があるが、仕事は早ければ早いほど良いだろう、ということで、もう準備を進めてる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |