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学園ノ噺
誘惑に負けたorz

俺様会長×平凡腐男子



王道転校生がやってきたと聞いた。
だから、副会長のフラグ立てが見れなかったオレは、食堂へと弁当を抱えてわざわざ足をはこ…ん?

前方から、なに、か、が、って!



「ぎやぁぁぁあ!!」



ガッシャーン!



飛んできた何か、もとい会長様の下敷きになってしまった。
弁当?くるくると宙を舞ってるぜ。

あぁ、中の生姜焼きが撹拌されている…。
今回のは自信作だったのに。



「ってて…おっと!」



ぱっし、とオレの弁当を上に乗っかったままの会長が華麗にキャッチした。

お、オレの弁当!!



「あ、なんだお前?俺の下敷きになって…。って、みぃつけたぁ!」

「ひ、ひぃぃぃい!!」

「ははは、今度ばかりは逃げらんないだろ?」



説明しよう!
オレは、会長様が会長様だと知る前に庭でたまたま出会い、何となく仲良くなって一緒にオレが作った弁当を食うようになった。
それから、何故かスキンシップが激しくなり、ある時夜這い未遂をされ、今日にいたるまで逃げては見つかって、ありとあらゆる手段を使って告白されるようになった。
ちなみに夜這い未遂にいたるまでの期間は2週間。
友達と思っていたのにまさか過ぎる展開で、会長親衛隊にすら同情の視線を向けられていたのを覚えている。



「愛してる、誰よりも。だから、俺と付き合え。」

「む、無理ぃぃぃい!!」

「無理じゃねぇ。愛してるって言ってんだ。俺が言ってんだから付き合えよ。」

「お、オレは男だ!」

「知ってる。ついでに腐男子とやらなんだろ?」



何故それを!?



「なぁ…特等席で王道っての見てみたくねぇか?」

「え?」

「安全な席で、巻き込まれることもなく、誰にも気づかれねぇようにさ。」

「うぐぐ…」

「しかも特等席に着けば、好きなBL本は好きなだけ与えられるし、食事だって食べたことのない料理や、食材を無償で提供しようじゃねぇか。なぁ、どうだ…」



―――特等席、着きたいか?



誘惑は、甘すぎる蜜だった。
流し込まれるように会長様に言われれば、オレは欲のままに頷いてしまう。



「なら、言えよ。『愛してる』って。」

「…あ、あいし、てる。」



くそ、逆らえない。



「あ?聞こえねぇよ。」

「愛してる。」

「何だって?」

「愛してる。」

「もう一回…」



あぁ、もうしつこい!!



「愛してる!!こんの俺様会長!!」



カチリ。



「ふっ。言質はとった。」

「しまったぁぁぁあ!!」



真昼間の食堂前、オレは自分の欲に負けて取り返しのつかないことをしてしまった。

その後?…思い出したくないが、お伝えしておこう。
ボイスレコーダーにとられたオレの叫びを盾に、即行お持ち帰りされ、身ぐるみ剥がされた後、1週間外出できなくなりました。

王道は特等席で見れるけど、いらないオプションの方が多いとか…とほほ。



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あきゅろす。
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