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学園ノ噺
↑の続き

10分…20分…。

結局オレは待てずに、人に聞きつつ冬琉が向かったという、食堂へ行った。



「どうしたんだ?」



奇妙な光景が目に入る。

生徒会役員とあの一匹狼が、冬琉に命乞いでもしてるかのように、縋り付いている。
で、転校生は灰になってると…。
ちなみに、食堂にいた生徒もみんな何かしらを手にしたまま固まったり、泣いたり、『orz』をしていたり…。

何事?



「来ちゃダメって言ったのに」

「!ち、ちがっ!用を足しついでに」

「違うでしょ。仕方ないなぁ」



近づいてくる冬琉に、ビクッとしてしまう。
や、約束破ったのはいけなかったけど、嫌われたくねー!!



チュッ…



「お仕置きはまた後で。でも、探してくれてありがとう。」

「っ!無事で良かった。つか、寧ろあいつら大丈夫?」

「ん?気にしないで。これでやっと静かになるよ。」

「あ、あぁ…」



さぁ、もう行こう?と手を引く冬琉。
縋るあいつらのことは完全無視ってある意味すげー。



「ん?なんだこれ?」

「あ…」



拾いあげた紙は、どうやら写真のようで…



「ブッ!アッハハハ!ヒー、アハハハハハ!!」



それに写っていたものに大笑いしてしまう。



「と、冬琉。なにこれ?お前が撮ったの?ブフックク…」

「…そうだよ。」

「ククッ…マジでいるのなー。バナナの皮でこけたついでに、縋った手が他人のズボン下げて、それに驚いたそいつが、持ってたアイスを…」



写真には、バナナの皮でこける副会長と、慌てて掴むものを探した副会長に腰パンしてた制服を下ろされる一匹狼君、驚いた狼君が持っていたアイスを顔面にくらった会長が写っていた。



「いいショットだな。」

「うん。オレも今そう思った。」

「他のも?」

「こんなナイスなのは、これだけじゃないかな?ちなみに健吾のそういう可愛い瞬間は、アルバムにしてあるよ。12冊くらい」

「マジかー。愛されてんな、オレ。大好きだ、ダーリン!」

「オレも愛してるよ、ハニー。」



その後、部屋に連れていかれ、そのアルバム12冊を懇切丁寧にコメントしながら見せられるというお仕置きをくらいました。

平凡だからって侮んなよ。
ダーリンは、どんな瞬間でも狙ってるからな。



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