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学園ノ噺
その平凡にご注意あれ

オレの親友は、ある意味すごいヤツだ。

唐突にすまん!
オレは瓦井健吾。
んで、親友兼恋人の和田冬琉。
周りは平凡で無口って、あまり良くは言わねーけど、オレにとっちゃ、かけがえのない大切な存在だ。

今なんか、オレの肩に寄り掛かって寝てんだぜ?
チョー可愛いんだけど!



パシャッ!



「お?」

「爽やかイケメンのデレ顔ゲット。また、一つオレだけに見せる健吾の表情撮れた。」

「そりゃ良かった。」

「うん。」



可愛いよ、マジ…。

冬琉の趣味は、写真。
ただし、デジタルカメラでしか撮らない。
いつも持ち歩くそれは、銀色で、オレより小さな手に丁度フィットするようプレゼントしたものだ。

そこがまた可愛い。

今までのカメラは、いっそ清々しいくらいに捨てたからな。
健吾がくれたもの以外要らないから、ってさ。

そうそう、何がすごいのかっていうと、その写真を利用した情報屋みたいなことをしてるんだ。
結構、いいネタばっからしく、風紀委員に気に入られている。

だから、うちの学校は去年に比べて荒んだ行為が減ったんだ。



「健吾、」

「ん?」

「もう少ししたら揃うから。」

「?何がだ?」

「揃ったら、すぐに消してあげるね。」



ニッと普段は無表情の顔(一般的な意見だ。)をかっこよく笑ませる。

…こういう時、男くさくてドキッとする。



「さてと、そろそろ行かないと…。」

「委員会か?」

「ううん。おイタをした人たちにお仕置きしにね。」

「情報屋の方か。気をつけろよ?」

「うん。ここから動いちゃダメだよ?」

「えー…。オレも一緒に行きたい。」

「ダメ。」

「お前が怪我したら嫌だし。」

「ダメ。じゃ、行ってくるね。」



遠ざかる背中に、ハァと溜息を吐く。
すごい情報屋だから、狙われることもあるんだけど、今までに怪我したことないから、大丈夫だろうってわかってんだけど心配だ。
恋人なんだから、心配して当たり前なのに、絶対仕事中に近づくことを許してくれない。

頼りがいがねーのかな?
信頼とかされてねーのかな?

いつも不安になる。



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あきゅろす。
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