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学園ノ噺
間違えた…かも?

特待生になれば、授業料無料だけじゃなく寮費、生活費とか、とにかく生きていくのに困らない金額全て、学校が払ってくれるという夢のような制度に、オレは飛びついた。

そして今年春、晴れてオレは…



「君が枕木颯志君だね。本当におめでとうございます。」

「あ、ありがとうございます。」



特待生に選ばれて、この林英学園に入学した。

入学式はまだだけど、今日は記念すべき入寮日。
先に送ってある荷物の方が多いから、身軽なままここまで来た。
マジ、街から遠かったけどね。

寮監さんから、カードキーの説明を受けた。



「そういえば、君はどの枠の特待生かな?」

「えっと、オレは芸術です。」

「へぇ。珍しいねぇ。外部の特待生は大体、理数系か文系特待が主なんだけど。」

「あ、オレそっちはめっきりなんですよ。学生の本分な筈なんですけどね。」

「いやいや。長所を伸ばすのだって学生の内じゃなきゃできなくなるよ。まぁ、勉強もしっかりとね。覚えていらない知識なんてないんだから。」

「はい!」

「そういえば、君の同室者も芸術だったかな。…あぁ、この子か。うん、あのね、」



同室者を確認した途端、寮監のお兄さんの顔がオレを憐れんでいる顔になった。



「あ、あの?」

「…うん、まぁ、頑張れ。」

「えぇ!?」

「何かあったら、逃げてくるといいよ。」

「な、何かって…。」

「たぶん、大丈夫だよ。たぶん…」



2回も言わないでください!!

とにかく、オレは自室へと足を向けた。
流石、私立で全寮制なだけあって、ホテルのような豪華さだ。

自室はどうやら5階にあるらしい。
507ってあるし…。



「あ、ここだ。」



わくわく、どきどき…。
そっと、カードリーダーにカードを通すと、ピッ!という音と共に鍵の開く音がし
た。



「あ、開いたぁ!」



そりゃそうだな。
はしゃぐ自分自身にツッコミを入れながら、ドアを開けると…



「―――――!―、――!」



…何か聞こえる。
良くわからんが、同室者がいるということだしそいつかな?

そして、真っ直ぐリビングへと続いているだろうドアを開けると…。



「あっ、きもちぃ!!ひぁぁ」

「失礼しました。」



静かにドアを閉め、いざ寮監室へ…猛ダッシュ!!



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あきゅろす。
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