皇桜学園物語 A 『それでは、紙を渡しますので整列してください。』 笹倉先輩がそう言うと、生徒会メンバーが紙を何枚かもって降りてきた。 「まさか…」 卓都は驚きながらその様子を見ていた。そして、思った通り、生徒会メンバーが、二人一組一人ずつに紙を渡していったのだ。 「うわ、面倒だね。生徒会の人たち。」 大変そう…うわー。 「生徒会メンバーが6人で割るのか…効率悪すぎじゃねぇか。」 二人は、その光景をまじまじと見ていた。 「あ、クラスで生徒会の人が変わるんだね。」 ここ、近藤先輩だ。 前からどんどんと近藤先輩が渡しながら近づいてくる。 「なんだ、あいつか。」 「?誰か他の人がよかった?」 「い、いや、別に誰でも良かったぜ!?ああ!!」 ちょっと残念そうな発言を聞いて、春日が尋ねた。すると、慌てて取り繕ったような発言が帰ってきた。 「?」 「…ほ、ほら、もうちょっとで来るぜ!!」 「あ、そうだね。」 春日はそれを見て、違和感を感じたものの、一度決めると頑固な卓都もよく知っているので、気にしないことにした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |