皇桜学園物語 上下関係は重要です@ 「…春日。たぶん、怒りを向ける場所が違うぞ。」 少し苛立ちを含んだ春日の言葉に卓都はため息をついて答えた。 「え、でも人に尋ねておいて強制ってどうかと…その、思います。」 や、やばい…卓都何か怒ってる…! 顔が険しくなったことに気づいて敬語になる。 「そこよりもまず、一人に対して複数で人気のない所に呼んだことが問題じゃねぇか。」 さらに口調が悪くなったことで、春日は姿勢を正す。 春日にとって卓都と初めて叱られた時に教育されている。 〈卓都を怒らせると甘いものが禁止される。〉 効きそうなのは今のところ春日だけだが。 「…怒るのは春日じゃない。で、その後は?」 姿勢を正したことに気づき、一度深呼吸をした後、呼びかける。 その声に棘はいくぶんか減り、春日はホッとしたような顔をした。 …ってあれ?もしかして私の発言でミニマム先輩らピンチになる?…私がのした上に、卓都からフルボッコ…下手な発言をしない方がいいな。 卓都の恐ろしさを知っているがために、加害者を庇う春日。 「屋上で、5名ほど別の…こっちは普通サイズ先輩が笑顔で…笑い方をもっと研究しないとあれは人から引かれそうな顔でいて…」 「…それで?」 やばい!なんか間違えた!目がマジだよ…!いや、まだ、チャンスはある…はず。 卓都の顔が険しくなったことに気づき、視線をそらしながらなるべく当たり障りのない話を続ける。 春日への誹謗中傷に対し腹をたてていることに気づかなければ、無意味だけれども。 [*前へ][次へ#] [戻る] |