皇桜学園物語 A 「すごいねぇ。」 一言一言で上がり下がりする他の生徒を感心したように見る春日。 「これが生徒会…か。」 卓都もあきれたように言う。 『それでは、ルールを説明します。』 笹倉先輩がもう一度口を開くと、宴会のような叫びが消え、また、静かになった。 「…皆、説明はしっかり聞くんだね。」 てっきり聞きあきてお喋りしてるのかな、って思ったんだけど。 「…そうだな。」 完璧に卓都は春日と一般見解の違いを気づいていたが、流した。今日一日の体力を残しておくために。 『…となります。片方が捕まったとしても、両方捕まっていない場合は逃げ出しも可能です。』 「あ、逃げてもいいんだ?」 「そりゃ人数こっちが完璧に不利だしな。」 「そっか、確かに。」 二人は笹倉先輩の話を聞きながら確認しあっていた。 『…についてですが、今回もいつも通り、可能な限り、勝者の望みを叶えたいと思います。』 その発言が入るまでは。 [*前へ][次へ#] [戻る] |