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chaosな日常
ギュッっとしがみつけ
「…はるー、帰るぞー。」

俺たちはいつも一緒に帰る。
俺、柳瀬春の放課後の理想はー
可愛い女の子をチャリンコの後ろに乗せ、急なブレーキに「キャッ」と俺にしがみつく彼女ー。「柳瀬君の背中っ、頼りになる。」とか言われてぇよ。
そんで、俺その後彼女とうどん食ってデートして、そのまま部屋にカム・イン!

ーだが、現実はー

「春ー、もっとスピード出せ。あと、なんかブツブツ言うのやめるのだ!」

俺の後ろに乗ってんのは可愛らしい女の子ではなくー。
可愛げのない、ムサイ男だー。

俺のチャリの後ろにどでんと座り、ケータイをいじる日向。

それがいつもの日常なんす。俺の。


まぁ、確かに日向は男にしては童顔でちっこくて可愛いけどー。いや、トキメイテナイカラネ!
性格は男らしく、まぁ、体つきも丸くはないし女子にはモテるし正真正銘の男です。ハイ。

ーあれっ、今日は前向いて乗るの?
いつもは、後ろ向きに座るのにー。
日向は、いつものように携帯をいじっている。
自転車を漕いでる俺の身にもなりやがれっ!

とか思っても俺はヘタレなので
「ハイハイー。今日の行き先は、どこっスか。」
と、タクシーのおっちゃんのように聞きます。

「駅行けよ。もちろん、安全運転しなかったら命はないと思えよ。前は勿論、背後にも気を付けるのだな。春よ。」

憎たらしい奴めー。
俺は、仕方なくペダルに足をのせ、力をいれた。

動き出す、自転車ー。
いつもの帰り道ー。
暖かい風が気持ちいいぜ。

その時ー急に横からタヌキが飛び出してきて急ブレーキをかける。
ーキキー
「うわっ!!」



つんのめる、俺たち。
よかった、タヌキ轢かなかった。


「ぬお!!」
ギュッー。
ーえ?俺にしがみつく手ー。
可愛らしい声ー。


「…大丈夫か、日向!」
俺は振り返った。
すると、
「バカッ、怖かっただろ。」
そう言ってもっと俺にしがみつく日向。

ーなんだよ。日向の癖に可愛いらしいじゃないか。ハァハァ。
ドキドキと鼓動がうるさい。
顔が赤くなる俺。どうしたんだ、俺!?
何にときめいてるんだ!


「…ごっごめん…。怪我ないか?タヌキが急に飛び出してきてー。」

「…死ぬかと思っただろ。って、なんで俺春にしがみついてんだよ。ごめん。」

日向が慌てて回していた腕を退けた。

離れる体温ー。

「…日向…。怖かったら俺に掴まれよ。」

我ながら、恥ずかしいセリフだ。

「…は!?てか、春、顔いつにもましてキモいよ。鼻息荒いし。てゆか、早く漕げ。」

日向は、顔真っ赤にして言った。

日向はツンデレツン要素あらるすぎだろ。
俺、きゅんきゅんしちゃったぞっ!
このまま、うどん屋行ってからのぉ
部屋にカム・イン!

なんて、ニヤニヤしてたら、後ろから強烈なパンチが飛んできました。

「おめぇ、俺を危険に晒したからな。肉まんおごれ。」

あぁ、この子は女の子じゃありません。
現実に戻る俺だった。








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