chaosな日常
日向と女性
「日向くんっ、私日向くんのことがー。」
次にくる言葉は想像できる。あの二文字ー。
放課後誰もいない教室ー。呼び出した女。こういう状況は俺にはよくあることだった。
俺は自分で言うのもあれだけど、顔が良いのですよ。
目はパッチリ二重、童顔で地毛で茶髪。
背があんま高くないのと、色白なのがマイナスだけど。
よく、可愛いとか素敵とか言われちゃうんです。
けれどー。けれどー。
「なんだよぉおぉー!日向!リア充しね!イケメン滅びろ!俺は、自分のバージンを一生守るっ!」
「春ー。バージンって…男の子なのに。」
「なんで、あんな可愛い子振るんだよっ。数は足りてますってか!?俺への見せつけか。この野郎。」
春は、机をバシバシ叩く。春は、いっちゃ悪いがモテない。
顔は普通。ただ、ひょろいのと性格上の問題があるからね。
春は、とにかく馬鹿だ。
だがな、春。俺は恋愛面ではとても馬鹿だよ。
うん、春。俺はまだお前には言ってないよな。
中学のとき、初恋の可愛らしい女の子と付き合った。
俺は、甘い一時を想像してたのだけれど。
「んだよっ、日向!こんな弱いのかよっ!」
待っていたのは、暴力という名のプロレスデート。
あんな虫も殺せないような可愛らしい子がー俺に海老がためを繰り出す。
毎日の敗北、女性への恐怖
彼女と過ごした時間は俺に傷痕を残した。
「くそぉぉ!お前もしかしたら、あっち系かっ!」
「…俺、女性恐怖症なんだ…。」
俺の呟きは、春には届かないのであった。
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