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chaosな日常
春悩み
俺は、柳瀬 春。
高校二年生。


俺には一種の悩みがある。


それは自分の体型だった。

オモイダシテみたまえ。小学生の高学年に。やたら、細長い足を恥ずかしげもなく晒す短パンボーイ。アンバランスなスタイル。
思春期ともども、悩むものも多いのではないだろうか。

だが。安心してごらん。そんな時期も過ぎ、年をとるにつれて男らしい身体ができあがってくるんだ。
そして、高身長と筋肉がほどよくついた男子は、女子を魅了する。

そりゃ、高い方がモテるだろ?男子は。
たがらこそー。
まるで、風にも負けない樹木のようにー。
儚げな女の子を守れるような男のなかの男にわたしはなりたい。

俺は、その日を夢みて、中学高校一年と筋トレと食事に励む。

だがな、現実は全く違った。花壇に一本はいるだろう、他の苗から奪い取る栄養分、だがそれはいい。よくないのは、運が悪く日光が当たらない場所に植えられ、やたら身長だけが目立つひょろひょろやろう。


俺は、まさにその苗のようだ。俺は、高校になっても、異様なほどひょろひょろだ。
手足は長い。背は高い。顔は普通。
ただ モヤシのようにひょろひょろなのだ。

そんな俺に
中高でついたあだ名は、「タカソデソウ」「肥大成長くん」

なぜ、こんなに専門用語が使われるのかー。みんな、マイナーすぎる。タカソデソウとは、まさにひょろひょろ植物だ。


伸び続ける身長。俺は、勿論学年1背が高い。今年で185センチだ。
あぁ、悩める思春期ー。青い春ー。


「春ー。おいで!」
今は席替え中。くじ引き制度のうちのクラスはいんちきなどしないはずだ。真面目だからな。俺は、ラッキーなことに、廊下側の一番後ろ。少し寒いが、申し分ない。居眠りやほーいっ。
日向の声がする。
日向は、可愛くてかっこいい。
イケメンめ。ちくしょう。


俺は、日向に呼ばれてそちらに向かう。

「座って!春!席かえようぜ。お前廊下側の一番後ろだろ。」

「なんでだよ、お前の席どこなんだよ、それによって条件を飲むか考えてやる。」


「ん?当たり前だろ?窓側!ニシシ。しかも、一番前!」

「そんな席に誰が座るか。その席を俺に勧める理由を30字以内で答えたまえ。」


「柳瀬くんの光合成を助ける為です。日光の条件を十分満たしておりー」

「ああ、日向くん今すぐ死のうか、その席で。」


俺は、この時ほど、奴を憎いと思ったことはなかった。









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