chaosな日常
どうしょうもないこの感情ー。
俺、柳瀬春は、いま窮地だ。
いや、いま戦場に立たされているのだ。
まさに悪の親玉と。恐ろしい黒ー。奴は、強靭な翼をもち、その素早い脚をフル活用した技をもつ。まさに最強の名がふさわしい。
「とぉりゃぁぁー!浴びろ、俺のビームを!!必殺技 ストレイト・ダイナマイト!」
俺は渾身の必殺技を繰り出す。あいつに向かう白い閃光ー。
あろうことか奴は、軽い身のこなしでそれをかわした。
「なにくそっ!さすがだ!」
奴は素早い。
俺は、汗滴る。歯をくいしばった。俺も体制を整えた時だ。
奴は俺の大切なものを人質にとった。
「やめてくれっ!そいつだけは俺のッ…」
なす術もなくなる。
まさに、絶望ー。俺があきらめかけた時だった。
ーシュン バシッ!
目もおえない素早い動き
奴は倒れた。
そう、奴は死んだ。
俺の人質となった、フィアンセとともにー。
「イヤッ、ちょっと待てよ!日向!ふざけるなよっ!」
俺は、思わず叫ぶー。
「何がふざけるなだ。さっさと殺せ。お前は馬鹿か。」
悪魔の凶器ー。俺のダチである 日向は静かに言った。
そう、とどめを刺した凶器を、もってー。
「ゴキブリぐらい、さっさと退治しろ。虫嫌い直らないのかー。バカ、はる。あっ、こいつの体液、ぐちょぐちょ。」
そうー。俺の綺麗な愛しの部屋にゴキブリという名の化け物が現れたのだ。虫が大の苦手な俺にとって、まさにこの時間は戦争だったのだ。そして、愛しのフィアンセの上にのった、あいつを日向はスリッパで何喰わぬ顔で抹殺した。
「直んねぇよっ!馬鹿馬鹿!!おめぇのせいでっ…買ったばかりのエロ本どうしてくれんだよぉぉおおお」
「いや、そんなとこに置くバカが悪いでしょ。」
やっぱり、こいつは真の悪魔だー。
にしても、この黒い物体の処理はどうしようかー。
俺は、悲しみにくれるのであった。
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