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lizard
そこに、音楽の神様がいるのなら。
チュンチュンチュンチュン―


とうとう、今日から、新学期だ。高校生活が始まる。私は、結局都内から遠く離れた、田舎高校、松永第一高等学校に行くことになった。


中学からの知り合いに会いたくないと言うのが理由と願書受付にギリギリ間に合ったというのが理由であるけれど。

新しい紺のブレザーと赤チェックのスカートを着て、朝食をリビングでとる。

あれから、母さんの風当たりはとても冷たいし、いつもイライラしていた。

私と言えば、内気で大人しい性格で学校に馴染めるのか不安でしょうがなかった。今から一からやり直すのだ、といいつつもモヤモヤした気持ちは、晴れなかった。


「母さん、行ってくるね。」

「弁当持った?あと、今日パパが帰ってくるから。ちゃんと早く帰ってくるのよ」


「うん。」
私は、玄関で靴をはき、冬で霜のふったドアの取っ手をひねって開けた。

「うわぁ。寒いなぁ。」
4月といい、寒さの抜けない朝。首に巻いた白のマフラーを口まで持っていく。

学校は、家から遠いので電車通勤だ。
中学から、持っているピンクのシンプルな携帯を出して、時間を確認した。
中学の数少ない女友達のアドレスや、家族、などといった内容の少ない携帯。また、鳴ることの少ない携帯で、携帯に対してもっと、よい人の手元に行くべきだったねと、いつも思うのだ。


7時30分ー
入学式まで、一時間ちょっと。余裕たっぷりである。


ゆっくり、歩いて駅まで歩いていった。


ガタンゴトンガタンゴトンー


電車の中で、母の言葉を思い出す。
今日は父さんが帰ってくるのだ。父さんは、大きなレコード会社の社員だけあって、会社で泊まり込んで仕事を仕上げることもあり、滅多に家に帰ってこない。私が南音楽高校に通うことをやめたとき、お父さんは、何も言わなかった。
いつも、よく喋るお父さんが、静かになるのは、考え事か、怒っているときだけだ。何も言わない父さんが怖かった。




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あきゅろす。
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