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堕ちて混ざって笑いましょう
ランボ

突然木の上に現れたと思ったら、

真っ黒な拳銃をこちらに向けて、

しかしそれを発砲することなく一人で木から転げ落ちたその幼児は、

何故か勝手に俺の部屋に上がり込み、

声高らかに自らを『ボヴィーノファミリーのヒットマン・ランボ』だと名乗った。

「リボーン、お前の知り合いかよ?」

とりあえずマフィア関連ということでリボーンに尋ねてみるものの、リボーンはランボの事など目にも入らないといった様子で問題の解説を続ける。

そんなリボーンにイラついたらしいランボはナイフを持ってリボーンに襲いかかるものの、リボーンはハエでも叩き落とすかのように軽くランボを裏拳で殴り飛ばした。

「が・ま・ん……」

ランボは泣きそうになるものの諦めず大声で自己紹介をしてみたり、土産を見せびらかしたり、リボーンの気を引こうとするものの、リボーンは完全に無視して俺への授業を進める。

先程の裏拳で殴り飛ばすやり取りがなければ、ランボはアヤカシなのではと思い違いをしてしまったであろう。そのくらい、リボーンはランボを徹底的に無視していた。

(この二人はいったいどういう関係なんだ……?)

ランボのことは気になる。しかしただでさえ虫の居所の悪い今のリボーンの機嫌をさらに損ねる覚悟でランボのことを聞く勇気は俺にはなかった。一人で必死にリボーンに声をかけているランボには若干悪いと思いつつも、俺もランボを無視してノートを書き取っていた。

「良いものみーっけ」

唐突にランボが高い声をあげる。『良いもの』が何か気になってチラリとそちらに目をやると、ランボはその手に持った緑色の塊を見ながらニヤニヤと笑っていた。

「あららのら、これは何かしら」

それは松ぼっくりのような形をしていて、まるでスパイ映画や戦争映画等でよく見かける手榴弾のように見えた。

「って……手榴弾!?」

「大当たり!」

思わず驚きの声をあげると、ランボは嬉しそうな顔で手榴弾のピンを抜き、こちらに投げてきた。



結論から言うと、リボーンの圧勝だった。リボーンは鋭い裏拳によって投げてきた手榴弾ごとランボを窓から叩き出したのだ。手榴弾は空中で爆破した―――投げた本人であるランボを巻き込んで。

あまりの仕打ちに唖然とするツナを置いて、リボーンは解説を続ける。

「な……何もあそこまで……知り合いなんだろ?」

リボーンのポーカーフェイスを伺いながら言うと、リボーンはランボが来てから初めて教科書から顔を上げた。

「あんな奴知らねーぞ」

予想外の言葉にツナは思わず「へ?」と間の抜けた声をあげてしまう。

「どっち道ボヴィーノファミリーっていったら中小マフィアだ。オレは格下は相手にしねーんだ」

赤ん坊の癖にどこか渋みのあるその台詞につい、かっちょええと思ってしまったのはツナだけの秘密である。




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