堕ちて混ざって笑いましょう
3
起き上がり、首を回すと背骨がパキポキと悲鳴を上げる。
あまり寝た気がしないのはいつものことだが、悪い気分ではない。
ユメウツツ3
時計を見ると今はちょうど3時で、俺は2時間程昼寝していたようだ。
眠気はすっかりなくなっており、身体も軽い。あれだけ夢に頭を使っていても、身体はきちんと休めているらしい。
ぐっぐっと身体を捻り身体をほぐし、シワの寄った中忍ベストを整えると、昼寝に使っていたベンチから立ち上がった。
「あ、やっぱりここにいた」
不意にかけられた声に振り向くと、そこには軽く埃を纏ったチョウジといのの姿があった。
「せーっかくの非番なのに、アンタまた昼寝してたわけー?」
やれやれ、といった様子でいのが肩をすくめる。非番の過ごし方を呆れられるのはいつものことなので、特に言い返さずにいると、いのは白い小さな封書を渡してきた。
「コレ、次のアンタの任務の追加情報だって。明後日までに目を通しとけってさ」
察するにどうやら任務後の報告の際に綱手から俺へのお使いを頼まれたらしい。サンキューな、と礼を言ってから封書を受け取った。
中忍に上がってからと言うもの、第十班とは別に任務を行うことが多くなった。まぁそのほとんどが雑務や五代目のパシリなのだが、明後日は久しぶりに国外任務に出ることになった。
受け取った封書を開け、暗号化された文章に軽く目を通す。文書はきっかり10秒後に自動で燃え上がり、灰となった。
それを見ていたチョウジが思わず声を上げる。
「うわっ、燃えちゃったけど良いの?」
「もう内容は頭に叩き込んだからな」
そう返すと、相変わらず頭だけは良いのね、といのが呟いた。
「アンタどうせこの後暇でしょー?チョウジとこれから打ち上げついでに甘味食べに行くんだけど一緒に行かない?」
「甘栗甘?」
「ううん、三丁目の定食屋さん。季節限定のデザートの評判が良くってさ」
定食屋、という言葉に胃が刺激される。先程の夢で唐揚げを食い損ねたせいか、無性に唐揚げが食べたかった。
「甘味じゃなくて唐揚げ定食食って良いなら行く」
その言葉にいのとチョウジは「昼食べ損ねたの?」と笑った。
「アスマ先生誘って奢って貰おうよ」
互いに顔を見合わせ笑い合う。
木の葉での日常が流れていく。
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