[携帯モード] [URL送信]

堕ちて混ざって笑いましょう
コレでも一応人間です

一護の問いにツナは思わずポカンと口を開けた。

生まれてこのかた14年、マフィアに絡まれ早2年……様々な事態に巻き込まれ、様々な経験を積んできたつもりではある。だがしかし、さすがのツナも人間であることを疑われたことはなかった。

「何失礼なこと聞いてきてんだよテメェは!?喧嘩売ってんのか!」

獄寺が目をつり上げ、額に青筋をたてながら一護に牙を剥く。

今にも一護に掴みかかりに行きそうな獄寺にハッとしたツナは慌てて「獄寺君落ち着いて!」と叫ぶ。

その隣で山本は自分の姿と一護の姿を見比べながら首をかしげた。

「なぁなぁ、俺らってどっか変なとこあるか?」

唐突に山本に問われた少女は困った顔で首を振った。

「よくわかんない」

その答えに山本は「そっかー」と笑いながら少女の頭を撫でる。そこにはのほほんとした雰囲気が広がっていた。


一護は三人の反応に、『ああ、コイツら人間なのか』と安心する。そして、人外扱いをしてしまったことに慌てて弁解に走った。

「悪かったよ。お前ら見たことねぇ力で『虚』を倒してたから……つい、な」

バツの悪そうな顔で一護は頬を掻く。一護の使った馴染みのない言葉に三人は反応した。

「『ほろう』って、さっきの仮面の化物のことか?」

獄寺が代表して一護に尋ねると、一護は頷いた。

「ああ、そうだぜ。俺達はそう呼んでる」

その言葉に獄寺は少し難しい顔をしながら俯く。そんな獄寺に代わるように今度はツナが口を開いた。

「『虚』って、一体何なんですか?あの子のことを襲ってたみたいなんですけど……」

山本の側にいる少女を振り返りながらツナがおずおずと一護に話しかける。その問いに、一護は少し驚いたような顔をした。

「お前ら虚が何なのか知らないで戦ってたのか?」

一護の言葉にツナは素直に頷く。

ツナ達が倒した虚は大虚ではないものの、かなり体格の大きな部類に入る。一護は思わず「お前らよく勝てたな……」と呟いた。

しかしかつて織姫やチャドも、霊力に目覚めたばかりの頃虚を知らないままに戦い勝ったことがあるのを聞いていた一護は、『この三人も最近霊力に目覚めたのか』と勝手に納得する。

「虚ってのは……手っ取り早く言うと悪霊だな。幽霊や高い霊力を持つ人間を襲うんだ」

混乱を避けるため、整や死神やを省いた簡単な虚の説明をする。

「「「あ、悪霊!?」」」

しかし思いもよらなかった答えに今度はツナ達三人が揃って驚きの声を上げた。




[*前へ]

11/11ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!