堕ちて混ざって笑いましょう
こんなときでも腹は減る
「問題はそれまでの生活面かな」
一通り笑い合ったところで、ツナが呟く。
すると獄寺はニカリと笑った。
「大丈夫ですよ、10代目!!いざとなったらそこらへんのチンピラから巻き上げれば良い話です!!」
「駄目だからねぇぇえええ!?」
ある意味予想通りすぎる獄寺の解決案にツナが即効ツッコミを入れる。
そんな二人に山本はまた笑う。
元の世界に帰れる……かはまだ分からない。だが少なくとも、何らかの手がかりを得る機会があるという希望を持てたため、段々と三人はいつもの調子を取り戻し始めた。
「ねみぃ……」
空座学園町の空座第一高等学校では生徒達が己の本分を果たすために授業を受けていた。
もちろん、黒崎一護もその一人である。
しかしその顔は睡魔にやられかけていた。
(……眠ぃ……眠すぎる……何で4時に出てくんだよ大虚……4時つったら朝だぞ、朝……)
一護を襲う睡魔……その原因は朝4時に現れた大虚。
朝から無賃労働を強いられた一護は、眉間に深くシワを刻みながら一つ欠伸した。
そしてぼんやりとする頭を抱えながら一護は、いっそのこともう寝てしまおうか……などと考える。
しかしそんな一護の考えは実行されることはなかった。
『ホロォォオオオヴ!!ホロォォオオオヴ!!』
一護のポケットから教室に謎のアラームが大音量が響き渡り、一護は盛大にため息を吐いた。
どんな状況でも腹は減るわけで。
その頃ツナ達は公園でお昼ご飯を食べていた。三人は中学で食べるはずだったそれぞれの弁当を頬張る。
「それにしても寂れた公園っすね、ここ」
獄寺がコンビニおにぎりを食べながら言う。獄寺の言う通り、公園にはツナ達以外誰もいなかった。
「ここの住宅街、小さい子はいないのかもね。まあ今お昼だし、小学校が終わったら少しは人が来るんじゃない?」
ツナは母の甘い玉子焼きを呑み込むと住宅街の方を見やる。
すると既に剛特製弁当を食べ終え、ゆっくりしていた山本が何かに気づいたのか公園の入り口の方を指差した。
「なあなあ。あそこ走ってんの、子供じゃね?」
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