Material 遊戯王×忍たま 「……俺様達死んだはずだよな……?」 「俺は確実に死んだぜ」 「相棒ーーー!!」 「……王サマに負けた後、きっちりかっちり消滅したはず……だよなあ?」 「情けない最期だな」 「もう一人の俺よーーー!!」 「……っだああああ!!うるせぇぞ王サマ!!今俺様は状況整理で忙しいんだ!」 「お、木の実発見」 「お前も勝手に動くなあああああ!!」 <なんかトリップしちゃったよwith遊戯王> 「まず、なんでバクラが二人いるんだ?」 紅葉を思わせる珍妙な髪型につり上がった瞳の少年……もといアテムは首をかしげながら、自分と一緒にこの場にいる二人を見る。 「知らねえよ」 長い銀髪の少年−−−バクラは不機嫌丸出しにそう応える。 「俺様も気付いたらここにいたしなあ」 肩口より上で切り揃えられた銀髪に、褐色の肌を持つ男−−−盗賊王バクラはボリボリと頭を掻いた。 「同じバクラなのに違う反応なんだな」 感心したようにアテムが言うと、白いバクラが「当たり前だ」と言った。 「ユーギから聞いてねえのか?俺様は確かにそこの盗賊王を元に出来ているが半分は邪神ゾークなんだよ」 イライラを隠さずに言うと、アテムは納得したように頷いた。 「ま、王サマに負けたせいでゾークの意思は消え、力は使えなくなったがな」 そうだろ?と盗賊王が口端を上げて言うと、バクラは悔しそうに顔を歪めた。 「盗賊王の方は俺に敵意を出さないんだな?」 そう尋ねると、盗賊王は面白そうに口を歪める。 「まあな。邪神が消えたからか、ディアバウンドが消えたからか、知らねえが、今はてめぇに殺意は湧かねえな」 そこまで言って、バクラの鋭い声が間にはいる。 「今はそんなことどうでも良いだろ!!ここはどこなんだ!」 三人は、現在森の真っ只中にいた。 「明らかに冥界じゃあねえな」 盗賊王がそう言うと、バクラはガシガシと頭を掻きむしる。 「そもそも俺様は冥界に行ける存在ですらねえぞ!」 しかし考えても答えが見つからない。 とりあえず移動してみるか、と適当にそこらを歩き始めた。 歩き始めて、一時間。 「…………」 「…………」 「…………」 三人は純日本を思わせる屋敷の門の前にいた。 「とりあえず……ここがどこの国かはっきりしたな」 (……まあ気候からしてエジプトじゃあねぇだろうとは思っていたが……) バクラは目の前の立派すぎる門には唖然としていた。 「相棒がやっていた戦国時代のゲームに出てきた屋敷みたいだぜ!」 アテムは遊戯のやっていたアクションゲームを思い出す。 「盗みがいがありそうな屋敷だな」 盗賊王だけは日本家屋自体がわからないため、的外れな感想を漏らしていた。 「あの〜」 突然、後ろから声をかけられる。 振り向くとそこには忍者服を着た青年が立っていた。 「忍術学園にご用ですかぁ?なら入門表にサインくださぁい」 そう言って紙と筆を差し出してくる。 アテムは何も考えずに受け取り、サインを書こうとしたが、それはバクラの叫びにより遮られた。 「忍術学園って何だよ!?」 全くもって正論な叫びだったが、アテムも盗賊王も『忍術』の言葉に言われてからやって気付いた。 [次へ#] [戻る] |