大空と錬金術師 日常から非日常へ ツナは家に帰ろうと足を踏み出す。 今日の夕飯は何だろうかと思いを馳せていたとき、ソレは起こった。 バチバチと、何かが弾ける音が辺りに響いた。 驚いて顔を上げると、蒼白い光が電光のように辺りに走っていた。 雷の炎とは色が違う。 雨の炎とは形状が違う。 これは、死ぬ気の炎ではない。 そこまで理解したとき、ツナの超直感が警報を鳴らした。この光は、自分の日常を壊すものであるという警報を−−−− ツナは獄寺達が去った方を振り替えると慌てて走り出した。 自分の行動に理由は付けられない。 ただ、二人が無事だか確認しなければならない。 その思いだけで走っていた。 その間も蒼白い光はツナの周りを音を立てて飛び交っている。得たいの知れない恐怖を感じながら曲がり角を曲がった。ツナから離れた場所に、蒼白い光に包まれた二人の少年の後ろ姿が見えた。 −−−獄寺君と山本だ! 二人を確認した途端、ツナは蒼白になる。 「獄寺君!!山本!!」 ツナは叫んだ。 二人はその声に反応して同時に振り替える。 その表情はどちらも混乱と動揺のそれだった。 よく見ると、二人の足元にはそれぞれ見たことの無い陣が浮かび、蒼く光っている。ツナは訳もわからず二人の元へ寄ろうと再び走り出そうとした。 しかし、一歩目を踏み出した途端、自分の足元からも陣が浮かび上がる。 そしてツナの体も、二人と同様に光に包まれた。 ツナは驚いて自分の体を包む光や足元の陣を見るが、直ぐに獄寺達を思い出して顔をあげる。 そして、その顔は絶望の色に染まった。 光が強く瞬いたと思ったら 獄寺と山本がツナの目の前で 陣に吸い込まれ −−−−消えた 愕然とした表情で二人が消えた場所を見つめていた。 次の瞬間、陣の方へツナを強く引き込もうとする力に気付いた。 超直感は痛いくらいに警報を鳴らし続ける。 しかし、自分の見た光景に茫然自失としていたツナは、何の抵抗もせずに陣の中へと引きずり込まれていった。 . [*BACK] [戻る] |