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大空と錬金術師
言語

それから少しエドワードとアルフォンスと共に雑談をしていた。

「俺の事はエドでいいぜ。」

エドワード……否、エドがそう言うと、アルフォンスも頷いた。

「僕もアルで良いよ。長いしね」

ツナも二人の申し出に有り難く頷いた。
するとアルフォンスが言いづらそうに口を濁らす。
だがすぐに決心したように口を開いた。

「代わりって言ったら変だけど……ツナヨシの事ツナって呼んでも良い?」

「……えっ?」

ツナは予想外の申し出に一瞬固まってしまった。
名前の話をしていたのだから行き着いて当然の内容であるにも関わらず、予想できなかった。

「だ……駄目だった?」

そんなツナの様子に不安そうにツナを覗き込む。

「ううん、そんなこと無いよ!普段オレ、そう呼ばれてるし!!」

慌ててそう言ったツナにアルは安心したように息を吐いた。


『ツナ』


ツナの頭に親友や家庭教師、我が家の居候達の声が次々に響く。

ふと、何気なくツナは窓の外に目を向けた。

外にはゴツゴツとした凹凸の激しい地表が剥き出しの岩山の景色が広がっていた。

日本では滅多にお目にかかれないような立派な岩山。

いよいよこの国は日本ではないようだ。しかし、そうするとおかしな事になる。

何故なら、自分はエドとアルの言葉を『理解』できるのだ。

自慢ではないが自分は英語の成績が悪い。
じゃあ何の教科の成績が良いのかと聞かれたら閉口するしかないが、中でも英語はすこぶる悪い。
基本的な文法ですら曖昧になることがある。
そんな自分が、何故エド達と流暢に話せるのだろう。

答えは簡単だ。

エド達が日本語を話しているのだ。
エド達だけではない。
周りで発せられている全ての会話は日本語で成り立っている。
日本語は世界的にはあまり主流と言える言語ではないというのに、これはおかしい。





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あきゅろす。
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