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大空と錬金術師
何者

「お前の敗けだと言ったはずだ」

ツナは至極冷静であった。


「ナッツ……形態変化〈カンピオ・フォルマ〉防御モード〈モード・ディフェーザ〉」

「GAOOOO!!」


ツナの声に応え、胸元に下がっていたナッツリングが雄叫びを上げる。眼帯男はツナに銃を向け、乱射した。


「T世のマント〈マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ〉」


眼帯男の放つ弾丸を調和の炎を纏ったマントで全て塵に変える。銃が効かないと分かり、尚も向かってくる眼帯男。その死角に素早く入り、銃を持つ右手を手刀で叩き落とす。銃が手から離れたことを確認すると、そのままグローブの推進力で瞬時に男の真後ろまで移動した。目の前から突然ツナが消えた事に混乱している眼帯男に、ツナは容赦無い一撃を頭部に加える。


呆然とその状況を見ていたエドが我に帰る頃には、眼帯男はツナの足元に倒れていた。

「……兄さん……」

同じく、一等車両と一般車両を繋ぐ扉の前でその光景を見ていたアルがエドの元へ走り寄る。エドはアルの方は振り向かず、ツナを見つめていた。

(……あれは、ツナ……なんだよな……?)

エドもアルも別人のようなたたずまいのツナに動揺していた。むしろそっくりな赤の他人と言われた方が納得できる。しかしそんなはずもなく、彼等の前にいる少年はまぎれもなく綱吉本人だった。

ツナは眼帯男を縛り上げた後、額の炎を消す。

途端にツナは腰が抜けたようにその場に尻餅をついた。

「はぁ……何とかなった……」

先程まで感じていた威圧感は突如霧散する。そこにいたのはやはり最初に出会った時と変わらない人懐っこいツナで、自分の目で見たはずなのに、彼が眼帯男を倒した事を信じられなかった。エドは一歩一歩、ツナに近づいていく。


「……ツナ、お前一体何者だ?」


エドは思わず、数十分前に己に向けられた質問と全く同じ質問をツナに返した。





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あきゅろす。
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