大空と錬金術師
禁句
強い光と共に何かが弾けるような大きな音が響いたと思ったら、銃の先がラッパのような形になっていた。あまりのことにテロリストも驚きの声を上げる。
「なんじゃこりゃあ!!」
その隙にエドはテロリストの頭に蹴りを入れる。テロリストは白目を剥いて倒れた。
「えええええ!!?」
何が起きたのか理解の追い付かないツナが叫び声を上げる。その隣で「あちゃー」とアルが額を手で覆っていた。
「やりやがったな小僧」
金属音に振り向いたら、もう一人のテロリストがエドに銃を向けていた。
「逆らうものがいれば容赦するなと言われている。」
こんなおチビさんを撃つのは気が引けるが……
そう言いながらテロリストは引き金にかかった指に力を入れる。ツナは慌てて止めに入ろうと死ぬ気丸を握った。しかし、アルはツナよりも早く動いていた。
「まあまあ二人とも落ち着いて」
アルは男の銃を持つ手を掴み、銃口を逸らす。
「なんだ!?貴様も抵抗する気……」
男の言葉はそれ以上続かなかった。エドの膝蹴りが男の顔にクリーンヒットしたからである。
「だぁれぇがぁミジンコドチビかーーーッ!!」
そう叫んだかと思うと、エドは全力で男を叩きのめしに入った。ボコだとかベコだとか嫌な音が車両内に響き渡る。
そんなエドに味方のはずの乗客達まで「鬼じゃ……」と呟いている。
「兄さん兄さんそれ以上やったら死んじゃうって」
慣れた様子でアルはエドに声をかけた。
エドは我に帰ったように固まってアルを見る。
「……って言うかコイツら誰?」
「分かってなかったのぉ!!?」
まさかすぎるエドワードの発言にツナは思わずツッコみ、アルフォンスはがっくりと頭を下げた。
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