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大空と錬金術師
意図

エドの言葉にツナと獄寺は目を丸くして折り鶴を見つめる。

「そうか……この光、なんか見覚えがあると思ってたが、あの時のだったのか」

獄寺は納得したように呟く。すると今度はアルがメモに何かを書き始めた。それは円と文字と線で出来た図形で、ツナ達が吸い込まれた陣にどこか似ていた。

アルがその陣に手をかざすと、紙は錬成反応に包まれ、あっという間に紙飛行機へと変貌した。

「兄さんの錬金術は手を合わせただけで成立するけど、それは例外で……本来錬金術っていうのはこうやって陣に構築式を書いて行うんだ。これを『錬成陣』って言う」

「えっ、そうだったの!?」

これまでエドの両手を合わせる錬金術やマスタングの指鳴らしによる錬金術ばかりを見てきたツナは、てっきりそれらの行動そのものが錬金術の合図になっているのだと勘違いしていた。知らなかった事実に驚くツナの隣で、獄寺は考えるようにうつむく。

「……俺達の足元に現れたのは、その錬成陣ってやつってことか……?」

その獄寺の言葉にエドは頷いた。

「錬成反応が出てたなら、そう考えるのが妥当だろうな」

しかしそこでアルが言葉を挟んだ。

「ちょっと待って、そしたら術師は一体誰になるの?ツナの世界には錬金術師はいないんでしょ?」

アルの言葉に一同は頭を悩ませる。

アルの言う通り、錬金術が発動したからには、それを行った術師がいるはずだ。しかしこの世界に来るまで、ツナも獄寺も錬金術師が存在するなんて聞いたことがない。恐らく山本もそうだろう。

「こっちの世界の誰かが、意図的にツナたちを連れてきた……ってことか?」

それにしても、一体誰が何の目的でツナ達をこの世界に連れてきたのか、それが分からなかった。

新たな疑問に一同が頭を悩ませていると、不意にホテルの廊下へ続くドアがノックされた。

「どうぞ」

エドがそう声をかければ、「失礼します」という言葉と共にロスが入ってきた。

「シェスカさんからフロントにお電話がありました。研究書の写しが完成したようです」


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あきゅろす。
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