大空と錬金術師
見知らぬ土地
「……え?」
予想外過ぎる質問にアルが固まる。そんなアルに慌てた様子でツナは言葉を紡いだ。
「さっ……さっきまで寝てたせいで……その……何て言うか……見失ったと言うか分からなくなったと言いますか……外にも目印になりそうなものがなくって……」
そんなツナの言葉にアルは納得したように声を上げた。
「なんだ、そういうことか。ここは……そうだな、イーストシティまで後三時間ってとこかな?ニューオプティンの方から来たの?」
ツナはアルの質問に、淡い期待を乗せながら答える。
「にほ……ジャパンの東京。並盛ってとこ」
日本だと分からないかも……と英名で答えたが、アルには通じなかったようだ。「それってアメストリス国内じゃないよね?響きが全然違うし……」と首をかしげる。
「うん。東の方から来たんだ。」
そう言ってツナは誤魔化した。現在地が東であることもあり、アルはすぐに納得し、「そう言われればツナの顔立ちや名前って東寄りだもんね」と笑った。
ツナも笑い返すが、心では消沈していた。
イーストシティ……は東の町で良いとして、ニューオプティンもアメストリスも聞いたことがない。分かったことは、ここが自分の全く知らない国であることくらい。
(ある意味未来に飛ばされたときよりもキツイかも……)
確かに外へ出たら狙われる、なんて事はないが、知らない土地で一人……というのはそれとは違う恐怖を感じる。
(獄寺君も山本も大丈夫……かなあ)
ツナの前には、自分のこれからの事やこの土地の事、どこにいるかわからない親友達の事など、問題が山積みになっていた。
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