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And you and mine: boy'side










「あ!テニス部よ!」


「キャー!!!幸村くん、かっこいい!」


「あたしは柳くんもいいと思うな〜」


「あたしは仁王くんだなぁ」





コートの柵の外で今日も頭に響くような黄色い声援が響く…―


いや、正確には応援じゃないな、


どいつもこいつも話していることは顔の話ばかりじゃし







『うわ…なにこれ』


「テニス部のファンクラブよ、相変わらず凄まじいのねー…」

『テニス部のファンクラブなのに応援してないじゃん。変なの』





休憩中、ベンチに座ってスポーツドリンクを飲んでいると不意に後ろ側の柵の向こうから聞こえてくる素っ気ない会話



俺も特に気にしないでコートに戻ろうとすると


会話が続いていて話が聞こえてきた



『スポーツに顔なんて関係ないのにね。かっこよく見えるのは、それだけ彼等が練習して努力してるからなんじゃないのかな』






そんな言葉に思わず振り返る。

振り返った先にいた、特別にかわいい訳でも…美人な訳でもない女子の言葉は



周りのうるさい声よりも深く響いた気がした…―









****





「はぁー、やっと撒いたか」



12月4日、

この日くらいに面倒極まりない日はきっとないじゃろな…―




誕生日だからといって、プレゼントを押し付けんのはいい加減やめてもらいたい



自分の得意のペテンがここまで役に立つことはないやろな





まぁしかし、柳生ってのも便利よのう…






「勝手にまた化けたと知られたら柳生かうるさいじゃろうし…そろそろやめとくか」



そう思いヅラをとろうとするといきなり屋上のドアが開いた


『あー、いたいた!柳生くん!』



「ん…?」


こんなとこまで追ってきたのかとドアの方にはいつかのテニスコートにいた女子


「貴女は…」


『生徒会からの伝言なんだけどね…………ん?』





"柳生くん"とこっちに寄ってきたので少しからかって遊んでやろう、なんて思ったが


少し離れたとこでその女子は歩みをやめ、首を傾げた





『えっと…、ほんとに柳生…くん??』


「そうですが」


あっさりと騙されるかと思っとったが案外鋭いのか半信半疑、といった目を向けてくる




『………』


「??どうかしましたか?」


『…いや、今日の柳生くんはなんか胡散臭さがすごいな…と』


「ほぅ…?どうしてそう思うのですか?」


『いや、なんとなく』




そう素っ気なくそう答えられ、思わず笑ってしまった



「面白いな、お前さん」



柳生の声マネを止め、地声でそう言うと少し驚いたように目を見開いて口をポカンとさせている顔がなんとも可笑しくて、再び笑うと嫌そうな顔をする



(ほんと、コロコロと表情を替えるヤツじゃのぅ…)




他の女子とは違う"何か"に興味がわき、名前は?と聞いてみると、『人に尋ねる前に自分から名乗りたまえ』と突っ返されてしまう






「仁王雅治」


『は?』


「俺の名前じゃ。で、お前さんは」


『……黒沢優雨、です』




黒沢、か…―



人一倍自分には関係ない他人には興味を持たない俺が、自分から名前を聞いたなんて言ったらポーカーフェースの柳生でさえ驚くじゃろな…―


「そうか、かわってるな。黒沢は」


『いや、仁王くんには負けるから』




思ったままの事を言えば真顔でそう返され、やっぱり面白いヤツだと、痛感する




「ククッ、そうかそうか。…っと柳生に用だったな、柳生なら先生に呼ばれたとかで職員室におるよ」



『そ、そっか。ありがとう』




黒沢は先程からのしかめっつらから一転、フワリと笑った




そんな笑顔を残してくるりと背を向け去ろうとするもんじゃから…―


無意識に…



本当に無意識に引き止めとった。



何故だかは俺にもわからんが…―




もっと話がしたくて、
近づきたくて…、




とっさの事じゃったから何と言おうと内心焦って、必死に言葉を探す






「またな、黒沢」






考えた結果、そんな言葉しかでてこんかったが…―




どうか、この言葉でお前さんとの繋がりができればいい





そんな思いを胸に、黒沢の後ろ姿をただ見ていた







キッカケは俺以外には絶対わからない…―




そんな小さなものじゃったが、


俺にとったら心の中の感情のなにかが変わった




大きなキッカケ…―






















To be the continue

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あきゅろす。
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