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▽And you and mineU/仁王

And you and mineの続きです!
あと何話かは続く予定です。



















恋はするものではなく、おちるものなのです…―






そんなことを、誰かが言ってた気がする…




















**And you and mine**












仁王のデコちゅー事件からはや2週間、






今日は仁王が部活のミーティングがあるとかで昼休みにこないみたいで

あたしは久々に平和に親友のはるかと昼食をとっていた。




「最近あんたさ、よく仁王くんと一緒にいるわね」


『ぶっ!』


「わ、ちょ、汚っ!」



あいがいきなり仁王の話題を振るもんだから、飲んでいたミルクティーを少し吹いてしまった…






『そ、そんなことないと思うけど…』


「あー!!動揺してる!なになに?もしかして付き合ってるとか?」


『…それは、ない』



でこちゅーの事を思い出し、


少し言葉に詰まってしまう


そんな私にはるかはおもいっきり怪しい、と言った目をむけてきた





「……ほんと〜?」


『ほ、ほんとだってば』


「ふ〜ん?……まぁ、遊ばれてないなら心配いらないか」


「?なんの話?」


「あんた知らないの?仁王くんって女子を取っ替え引っ替えで付き合ってるって噂、有名よ。」


『……』


あぁー、通りであのでこちゅーも馴れた手つきだと思った。


……え、ていうかなんだ。
あのでこちゅーは挨拶のようなものだったのか…


別に変な期待はしてはなかったけど…なんかモヤモヤする





「まぁ、あのルックスだから付き合いたい女の子は尽きないみたいだけどね」


モテる奴はすごいねぇ、なんてはるかはいいながらパンを頬張った


『…でもそれってさ、見た目だけで付き合いたいって女子は思ってるわけで…


仁王くんの中身は、誰も見てあげないのかな…?』



「まぁ…ほとんどの女子が顔が目当て、って子みたいだけどね」



『……それはそれで、淋しい気がするな……』





いくら大勢の子に好かれてたって、表面しかみてもらえないなら意味がないじゃん…



…って、なんでだろ。
なんで私こんな気持ちモヤモヤしてるんだ





「……優雨ってば、仁王くんのコト好きなの?」


『ぶっ!!』


「うわっ!汚っ!」



また唐突に変な質問をしてくるのでミルクティーを噴出してしまった



好き…?


私が、??


仁王のことを…??


『そ、それはないっ…!!』



「そんなに動揺しちゃって、怪しいな〜、ま!今はそういうことにしておいてあげるけど………遊ばれないように気をつけなよね」



『う、うん』



遊ばれる……か、

仁王くんにとってはやっぱり、私のことはただの遊び相手…ってことなのかな…



そう思うとなんだか胸がチクリと痛んだ


そんなモヤモヤした気持ちで、残りのお弁当を食べてしまって昼休みが終わった。











---



『くそぅ…先生め…』


放課後になりさっさと帰ろうと教室から出ようとするも、担任に捕まって日直の仕事をおしつけられた(今日の日直の人がさぼったんだってさ)、



誰もいない教室で、嫌々日誌に文字を埋めていると窓の方からパコーン、とボール弾む音がした。



(あ…仁王くん)



目線をむけた先にはテニスコートで楽しそうにボールの打ち合いをしている仁王くんの姿





『…あんな顔もするんだ』



純粋にテニスをする仁王くんはかっこいいと思った


いつもは無気力、脱力な顔してるくせに…



テニスをしてる時はあんな楽しそうな顔してるんだ…―



『って、いけないいけない!!さっさと日誌かかねば…!』




…というかなんでさっきから仁王くんのことばっかり考えてるんだ自分!!




ドキドキしているのはきっと勘違いだ、動悸してるだけだ!



半ばなんだかやけくそになりつつ日誌を書きはじめた








書いていること数10分、


あと少し書けば完成!!と思っていると不意に教室のドアがガラリと開いた









「やっぱり黒沢か」


『あ、仁王くん、…やっぱりって??』


「いや、なんでもなか。それよりお前さん、ひとりでになにしとるんじゃ」


『日誌、担任に押し付けられちゃって…』



そう言うと仁王くんは、ついてないのぅ黒沢は。なんて言ってわたしが座っている隣の席に腰を下ろす



『……え』


「??なんじゃ?」


『あ、いや。仁王くん、部活は』


「今は休憩中ナリ」


『そ、そっか』


いつも話をするときより距離が近くて心臓がバクバクしている…―お、落ち着け我が心臓!!



「ん?黒沢、なんか顔が赤いぜよ?」


『そんなことは断じてない!!!あー、えっと、仁王くんはあれだね!テニス、好きなんだね』



とりあえず話題を変えてしまおう!と少しわざとらしいが話題転換、あからさまに怪しい度満点だぞ私…





「なんじゃ、いきなり」


『いや、さっきここから仁王くんがテニスしてるとこ見てたんだけど、すごく楽しそうにしてたから…好きなんだろうなぁって』



仁王くんはわたしの言葉にきょとんとしてしたと思いきやククッと喉の奥で笑う


『な、なに』


「お前さんには敵わんな。俺の得意のイリュージョンも効かなそうじゃ」


『は??』


仁王くんの言っている言葉の意味がよくわからなくて首を傾げていると仁王くんは急にじっとこちらを見つめた



『……??』


「なぁ、黒沢」


『なに?』


「俺は人を騙すんが上手いハズなんじゃが、お前さんだけはどうも嘘がつけん」


『はぁ…』


いや、そりゃあさ…良いことだよ仁王くん。
わざわざ私に嘘をつかれても…



「なんでかよう考えたんだがな、やっと理由がわかったんじゃ」


『?』


「教えて欲しいか?その理由」


『う、うん』



私がそう言うと、仁王くんは私の頬に手を添えて上をむかせるとゆっくりと顔を近づけてきた





『っ?!』


「……」




え…

あれ……?

なんで私、仁王くんにキスされてるんだ…



軽く触れていた唇はすぐに離れて、
仁王くんはびっくりして目を丸くしている私をみて可笑しそうに笑った




『なっ…』


「おもしろい顔しとるぜよ、黒沢」


『な、なにしたの?!』


「キスじゃけど」




あ…いや、そんなのはわかってるんだけどね。


『な…なんで?!』


「理由、知りたいって言ったじゃろ?俺、お前さんが好きなんじゃけど」


『……へ??』


「人がせっかく告白してるのにその反応はひどいのぅ」



『こ、告白って…』







いきなりのことで頭がついていかない…


そもそもなんで、なんで私?!




『あ…あのっ』



今の言葉があまりにも信じがたくて‥‥

でも嬉しい、、だなんて感情もあったりして…―

なんとか言葉を返いさねば!と必死になっていると仁王くんはくしゃ、と頭をなでてくる




「嘘…だと思っとるじゃろなきっと…。でも今はそれでもよか。これから少しずつ俺の気持ち、知っていって欲しいんじゃ」


『に…仁王くん』


「だからこれから俺のこと、ちゃんと見ててくれ」








詐欺師がそんなに真面目に言う言葉に―…




"ペテン"ではないと信じてみたくて、思わず頷いてしまったんだ…―













(いつになく真面目に言う君に…―)



(不覚にもキュンとしてしまったのはわたしだけの秘密)









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