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▽another story/幸村
これは that's anotherの続き(おまけ)みたいなものです。
キミといる時間が‥‥―
他のなにより私の大切な時間‥‥
『あのさ…幸村』
「ん?何?」
『……いや、そんなにこやかに返事されても…』
学校での昼休み…―
あたしと幸村は屋上でお昼ご飯を食べていた
幼なじみってこともあって、一緒にお昼を食べるのはいつものことで
唯一変わったことといえば幼なじみの関係から
“恋人”に変わったこと
……まぁ、そこまではいいんだけども…
いいんだけどもさ…っ!
「この体勢は無理!!!!恥ずかしい!!どこのバカップルだよっ!」
“この体勢”とは幸村の膝の上にあたしが座っている状況のこと…
え?なんでそんな状況になったかって?
あたしだって普通に隣に座ろうとしたんだよっ!!
それなのに幸村があたしが座る前に腕を思いっきり引っ張ってきて強制的に幸村の膝の上……、ってカンジです。はい。
「いいだろ、バカップルでも。優雨は元から馬鹿なんだから」
『は?!誰が馬鹿だっ!!!…ってそうじゃなくて』
「俺は気にしないからいいんだよ」
『幸村が気にしなくてもあたしが気にするの!!』
「優雨のクセに文句あるの?」
ニコニコ〜っと幸村は相変わらずただならぬオーラを放っている
『……お、脅し反対。彼女に脅しはよくないよ』
「……彼女だから」
『へ??』
「好きな彼女だから、1cmでも近くにいたいし、1秒でも多く側にいたい」
『ゆ…幸村』
「ただえさえ優雨とはクラスも違うしね、学校で二人でゆっくりできるのはこの時間くらいだろう?」
そう言いながら、ぎゅうっと後ろから抱きしめると幸村はあたしの首元に顔を埋めた
…幸村はやっぱりずるい…―
そんなこといわれたら、何もいえないじゃないか
『せっ…せい、いち』
「…ふふっ、何?」
『あたしも…精市のことが好きだし……一緒にいたいから…
…少しの間はこのままでいい』
あたしが完全に赤面しながらそう言うと精市は嬉しそうに笑った
なんだか気恥ずかしくなって背を向けようとすると精市は素早く唇にキスを落とす
『なっ…?!』
「さ、ご飯食べちゃおうか」
ね?と顔を真っ赤にしているあたしをからかうように精市は笑う
『やっぱり精市はいじわるだ』
「それは優雨にだけだよ。…好きな子には、意地悪したくなるもんだろ?」
あぁ、やっぱり精市はずるい…―
そんなとこも含めて彼を好きなあたしは、重度の恋の病…―
なのだろうか?
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