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▽Look at you/長太郎









君しかみえなくなるほどの…




甘く深い恋に溺れたい…―









***LookAtYOU***















「長太郎は優しすぎると思うんだ」


「なによ急に」






昼休みの教室、




あたしはいつものように友達の愛と、お弁当を食べていた




「だってさー…なんか長太郎って優しすぎるんだもん」


「優しいことの何が問題なのさ、いいじゃない鳳くん紳士的で」



長太郎とは3週間前にあたしから告白して付き合った


あたしとは別のクラスで、あんまり接点はなかったんだけど…

テニスの試合をたまたま見に行ったのをきっかけで、あたしが一目惚れしたんだ。




それからたまたま運よく同じ委員会になって仲良くなれたから駄目元で告白をしたら、なんとなんとOKしてくれた長太郎、今でも信じられないくらい…―




「んー、確かに長太郎は優しいのがいいトコなんだけど…」


「あら、ノロケ?」


「ちっ…違うよ!!そうじゃなくてっ!だからその…」


「優し過ぎて不安になる、とか?」


「そう!それっ!!…なんかさ、あたしの告白受けてくれたのも優しさ、…なのかなって…」


「あんたねぇ、そんなワケないでしょ?!鳳くんがあんたの告白受けたのはあんたが好きだからに決まってるでしょ?」


「そう、なのかな?」


「当たり前でしょう?!もうちょっと自信もちなさいよ」


「うん…」


愛はやっぱり姐御肌だなぁ…。
こう、頼れるお姉ちゃんだよねうん。


「ありがとう愛、なんか少しスッキリしたかも」


「ならよかった、いつでも相談のるからね」


「愛大好きだーー!!!」


そう言って抱き着こうとするとハイハイ、と言ってかわされてしまった


まったくツンデレなんだからーなんて思っていると、愛は教室のドアの方を目を細めてみた



「って、あれ?」


「どうしたの?愛」


「優雨の愛しい彼氏さんじゃない?」


そう言って指さしたとこには長太郎の姿が


少し驚いて目をぱちくりさせていると長太郎と目があった


すると長太郎はニッコリ笑って手招きをしてきた



「ちょっといってくるね!!」


「あいよ〜」




昼休みに長太郎が会いにきてくれたのが嬉しく思いながら笑顔にドキドキしたのを抑え、長太郎の元に行った



「長太郎!」


「話中ごめんね、今大丈夫だった?」


「も、もちろん!長太郎ならいつでもウェルカムだよ!」

……って、何恥ずかしいこといってんだあたし


そんなあたしに長太郎は優しく笑う


「あはは、なんだそれ」


「あ…あんま笑わないで、なんか言った本人めっちゃ恥ずかしいんだコレ

……あ、てかどうかした?用事あってきたんでしょ?」


「うん。今日部活早めに終わるみたいだから、帰りどこかいきたいなって思って」


「ほんと!?」


「うん。だからいきたいとこ、決めておいてね」


「うん!わかった!」


「それじゃあ、俺そろそろ戻るね」


また帰りにね、と言ってくしゃりと頭を撫でてきた。






「ラブラブだねぇ〜」


「ぎゃっ?!愛っ!!いつの間に!!」


「さっきのこと、悩む必要ないんじゃないの?」


「う〜ん、、まぁ…」



さっきまで散々悩んでいたのにもうこんなご機嫌になっている自分は我ながらすごく単純だと思う。



でも、嬉しいものはしょうがないよね…―


放課後が楽しみだな〜。




















「キャー!!跡部様〜!!」


「忍足くんかっこい〜!!」






授業が終わり、長太郎の部活が終わるのを外で待ってようと、コートに向かうと相変わらず黄色い声援が響いていた


まぁ、その声援はもちろん長太郎にも向けられているのもあって、やっぱりモテるんだなぁーと改めて思ってしまう




「あれ、自分たしか鳳のカノジョやん」


「へっ??」




いきなり後から声をかけられ、振り向いてみると



今練習時間試合が終わったのか、汗をタオルで拭いている忍足先輩がいた




「お、忍足先輩…?」


あ、あれあたし忍足先輩と面識あったっけ?



思考を巡らせているとズイッと忍足先輩が近づいてきた



「ぎゃっ?!?!」


「ぎゃって…ひどいな自分…」

「あ、いや、ごめんなさい!でもあの…近いです」


焦りながらそう言うと忍足先輩は可笑しそうに笑う


「フ…自分面白いなぁ、鳳やのうて俺の彼女にならへん?」


そう言いながら顔をどんどん近づけてくる忍足先輩、

一方のあたしは冷や汗がダラダラだ



「いや…あの、だから顔近っ―!!!」


「忍足先輩」



あまりの近さに目をギュッと瞑ると、聞き覚えのある声が聞こえた


そっと目を開けると、
いつもでは見せないすごく不機嫌そうな長太郎




「あまり優雨にちょっかいださないでくれませんか」


「えーやん別に。俺やて優雨ちゃんと仲良くしたいんや」


“優雨ちゃん”の言葉に更に長太郎の顔は険しくなってしまい、空気はピリピリといたいくらいにはりつめていた


「よくありません。………行こう、優雨」


「わっ、ちょ、長太郎?!」



ガシリと手を捕まれ勢いよく引っ張られ半ば強制に長太郎に引きずられていった


後からは、またな〜なんて呑気な忍足先輩の声がした











引きずられた先は旧校舎の教室で、
教室に押し込まれたと思うと長太郎はドアを閉めてあたしを壁に押し付けた


「ちょ…長太郎?!ど、どうしたの?なんかさっきから変…――ん…っ?!」



少し怖くて顔を見れずにいるといきなり顎を持ち上げられ唇を重ねられる




「っ…?!?!んっ…ちょ、」


「………っ」



何?!と言おうと口を開くと更に深くキスされる


唇の隙間から長太郎の舌が入ってきて、それに驚いて頭を引くと長太郎の手で頭を固定され、それを許さない


舌を絡めとられ頭のしんがジン疼く…―



「ん…ふっ…ちょ、たろ…」



ぴちゃぴちゃと水音がなんだか恥ずかしいとか、息がうまくできなく苦しいとかであたしの思考はショート寸前だ



段々頭がぼぅっとしてきたところでやっと唇が解放された


「はぁ、はぁ…ちょ、たろ…?」


涙目になりながらそう呼ぶと、ギュウッと抱きしめられる




「ごめん、優雨…」


「どうか、したの…?」


「嫌だったんだ…、忍足先輩に優雨をとられるのも、優雨を名前でよぶのも…」


「え…?」


驚いて長太郎の方をむこうとすると抱きしめている手の強められできなかった



「優雨には…俺だけをみてて欲しいんだ」



拗ねた口調でいう長太郎がなんだか可愛くて、長太郎の背中に手を回し抱きしめ返す



「よかった…」


「?何が?」


「長太郎にちゃんと愛されてるんだなぁって、思って」


「いまさら気づいたの?」


「いや…だってさ、長太郎ってば優しいから…、あたしの告白受けてくれたのも優しさだったのかなって…」



そう小さく言うと長太郎は少し体を離し真剣な目つきをして言った



「そんなわけないだろ?
俺は優雨が好きだから告白を受けた」


「うん…」


「優雨、一つだけ我が儘言ってもいい?」


「ん?なぁに?」


「俺は優雨しか見てないから…―」






だから…―








「優雨も俺だけを見て」








あぁ…―


こんなにも、もうあたしはあなたに溺れているんだ―…









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あけましておめでとうございます(^^
今年もどうぞ、当サイトをよろしくお願いします

今年の目標→ 不二くんを夢に出現させるとと(笑







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