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▽恋愛中毒/不二
あたしにとっての幸せ…―





それはとっても、





些細なもの






****恋愛中毒****









「……ねぇ、周助」



「ん?なに?」


「いや…逆にこっちがなにって聞きたいから」




初夏の少し暑い昼下がり、




周助とあたしは周助の家でのんびりしていた


最初はお互い他愛のない話をしていたはずなんだけどな…


しばらくしたら、周助はギュウギュウと後から抱きしめてきてあたしは身動きがとれない状態



当の本人はさっきからニコニコしながらなんだか上機嫌な様子だし



まったく…どうしたものだろうかな…



「そんなにくっつくとものすっっっっごい暑いんだけど」


「ん〜」




そろそろはなして、という意味を込めて言っても生返事を返してきて一向に放す気配がない…



いや、元はと言えばあたしが家デートがいいって言ったんだけどさ…



ここのところ、練習がずっとあるから久々のデートってことで周助はあたしの好きなとこに行こうって言ってくれたけど…


あたしは少しでも周助が休めるようにって、家でのんびりしようと言って現在に至る




「…優雨っていい匂いするよね」


「わゎっ!!ちょ…っ!ちょっと…―」


周助は首元一度唇を這わせてから顔を埋めてそう呟く




「しゅっ…周助、擽ったいっ…ひゃっ」



「擽ったいだけ?」



「もっ…周助っ…」


周助はクスクスと笑いながら頬にチュッ、とキスを一つ落とし


抱きしめる強さを強めた



「なんだか今日は妙に甘えてくるね」


「妙にって、失礼だなぁ優雨は。」


「それになんか機嫌いいし、なんかいいことでもあった?」


「クスクス、まぁね。なんでだと思う?」


「?……わからない」




周助は楽しそうに笑いながら、首を傾げているあたしの髪の毛を梳く



「優雨、僕が疲れると思って今日のデート家がいいって言ってくれたでしょ?その気持がすごく嬉しいかったんだ」


「そ、それだけ?」


「うん、それだけかも知れないけど僕にとったら嬉しいの」


「そ、それは…。ただ周助に無理して欲しくなかっただけで……




それに…」


「?…それに?」



「あたしは周助と過ごせるだけで幸せだから…」



我ながら気恥ずかしこと言ってるなぁ、なんて思い顔が熱くなってきた…。



でもそれは本心だし…

たまには、ちゃんと自分の口から伝えるのもいいなって…ね






恥ずかしくて顔を俯かせていたら頬に周助の手が添えられ、上を向かされる



そして、ゆっくりと周助の顔が近づいてきたと思えば、深く口づけられた



「んっ……」


「………」






―…ほら…ね、こんなキスの瞬間だってあたしは幸せでたまらないんだ






「ホント、優雨って僕のこと喜ばせるの上手だよね」



名残惜しげに唇が離れると周助はあたしを抱きしめながら言った



「周助限定だけどね」


「クスクス…うん、ねぇ優雨」


「うん?」


「大好きだよ」


「…あたしも」











こんなにも、


あなたの言葉に幸せに満たされるあたしは、もう…―



恋愛中毒…―



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あきゅろす。
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