[携帯モード] [URL送信]

MAIN
▽sweet WhitDay/不二(後編)

bitterValentine Dayの続きです!









あの日に渡せなかったチョコレート…



あなたに伝えたかったこの気持ちも、




ポケットにしまったまま…―





**sweet WhitDay**








「はぁ…」


屋上で1人ため息をつく、



まぁ、なんと言っても今日は3月14日、


チョコレートをもらった人がお返しをする日



彼氏持ちの女子たちが浮かれまくっているので、なんだか憂鬱で屋上にでてきた





あたしといえばあれから不二を避けまくっちゃってる気がするし…


不二はいつも通りニコニコと話かけてくるけど、


なんだか無意識に目を逸したりあんまり自分から挨拶すらしなくなった気がする…



不二の顔をみると、声を聞くと…ー切なくて、辛くて、


胸が張り裂けそうな感情に襲われるから…



あたしは…不二から離れたい



好きになるのを…やめたい



「って!!なに感傷に浸ってんだあたし!!いーかげん諦めろよ!」


「クスッ、独り言かい?優雨」


「…っ?!ぎゃぁぁ!!ふ、不二!」



自棄になって叫んでいると後ろからいきなり声をかけられ思わず声をあげてしまった


「クスクス、そんなに驚かなくても」


「いや、えっと…びっくりしちゃって」



てか、なんだこの状態…


“この状態”とは…


前には柵、後ろには不二、


不二は柵に両手をついていて簡単にいうとあたしは、不二に挟まれた状態にいる



「ねぇ、なにを諦めるの?」


「え…聞いてたの?」


「そりゃああんな大きな声で叫んでれば聞こえるよ。…それで?何を諦めるって?」


「いや…べ、別に何でも…それより、そこ…退いてくれないかな」



いい加減恥かしいんだけどこの状況…






あたしはそう言うと不二はあたしの耳に口を近付けて



「教えてくれなきゃ、退いてあげないよ?」



と囁いた




「っ…?!ふ、不二には関係ないでしょ?!」



いいから離して〜!とジタバタ暴れていると不二はあたしをくるりと向かいあわせにさせて両手であたしの頬を包んだ



「……最近、僕のこと避けてるでしょ?」


「え…」


「どうして?僕、何かした?」



いつも閉じている不二の目は開いていて真剣な表情でこっちをみていた





「嫌いになった?」


…そんな目で



「……美優…?」


そんな声で…


あたしを呼ばないで…


「っ……きらいだよっ…ー」


「……」


あたしはどんどん……


「誰かのモノになった不二なんて…っ…キライ…」




あなたを好きになってしまう…




「あたしは…不二が、すきだから…っ」



ポロポロと途絶えることなく流れてる涙はどうしようもなくて、あたしはただそう言って俯いた






「?…僕、誰かのものになった覚えないんだけど」


返ってきたのはまのぬけた返事



ポカンと見つめていると不二は頬を包んでる両手で涙を拭きながらクスッと優しく笑う


「優雨、バレンタインの時の…見てたでしょう?」


「…え!知ってたの?」





コッソリみてたはずなのに…、

いやいや!!別にたまたま見ただけで盗み見と言うわけでは…



「断ったよ」


「へ?」


「僕、優雨からのチョコレート…待ってたのに」


「………へ?」


「………さっきからその反応ばっかり、せっかく告白してるのに」


「こ?!告白?!」



待って待って!いきなりすぎて頭が回らないって…




「僕も、優雨が好きだよ…」


「う…うん」


「チョコレート、くれないの?」


「え?!...あ、チロルチョコならある……っ?!」




我ながらムードを壊すようなことを言うなぁ…と思いつつポケットから取り出そうとしたらいきなり顔を近付けられ不意に唇に温かいものがふれた




「な…?!」


「今年はこれで許してあげる、」



「なななな?!」


「来年こそ、ちょうだい、ね?」







初めて交わしたキスは…



ちょっぴり苦くて、甘い、






恋の味…ー












<<BackNEXT>>

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!