小説(ファンタジー)
END
その日、執務室でいつものように仕事をしていたリュークは、鼻歌を歌いだしそうな親友を呆れたように見つめていた。
本当は聞きたくない。だけれど、聞かなければならないような雰囲気だ。
「…何か良いことでもあったか?」
「実はな、昨日初めてリゼルが我が儘を言ってくれたんだ。その時のリゼルがあまりに可愛くてな………―――――」
まさに、鼻の下を伸ばしてセルジオは己の妻であるリゼルとの惚気話を語り始める。
リュークは話しを振ったことに後悔しながらそれを右から左に聞き流しながら相槌を入れる。
(これなら落ち込まれていた方がましだったか?)
そう考えながらも幸せそうな親友の様子に小さく微笑んだ。
願わくば、彼と彼の妻とのこれからが幸せであらんことを。
END
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