小説(ファンタジー)
3
次の日、珍しく屋敷が騒がしかった。
「何かあったのですか?」
「ケビン様。実は…………」
「アシュレイはいるか!!」
「クロード様?!」
そこに現れたのは、アシュレイの長兄であり、リエーフ伯爵でもあるクロード・A・リエーフだった。
「あぁ、ケビン。息災だったか?」
「はい。あの…何故クロード様がここに?」
「アシュレイを連れ戻しに来た。この間、アンナが“ディスハード夫人”を御茶会に誘ったらしいんだが、現れたのがアシュレイじゃない女でな。しかも貴族の作法など何も知らない女だったらしい。それで調べさせた。それで、アシュレイは?」
「そのことでお話ししなければならないことが………」
「…ケビン〜?どうしたの?」
寝間着姿のままのアシュレイがそこにいた。
「あー!!クロードにいさま!!」
アシュレイは階段を駆け下り勢いをつけたままクロードに抱きついた。
最後に合った時のアシュレイとは酷く違う口調と行動にクロードが説明を求めるような視線をケビンに向ける。
「アシュレイ様、先にお召し物を変えましょう。クロード様の前では失礼です」
「うん。にいさま、またあとでね」
アシュレイは踵を返し、再び階段を上った。
「どうぞ、応接間の方へ。説明させていただきます」
ケビンの導きに従い、ふたりは応接間に移動した。
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