小説(ファンタジー)
2
僕が、彼と初めて会ったのは5歳の頃。10歳年上の彼が15歳の頃だった。
兄様が連れてきた彼はとてもかっこよかった。
子供ながらに、その時恋をしたのだと思う。でも、すぐに失恋してしまった。
彼の兄様を見る目は、僕を見る目と違う。
彼の兄様を想う心は、僕を想う心と違う。
彼は、兄様に恋をしているんだって分かった。
本当に、早い初恋の終わりだった。
諦めるしかなかった。
どんなに頑張ったって僕は兄様には敵わない。
勝てるはずがない。
それでも、僕は彼を想うことだけはやめられなかった。
少しでも、彼の役に立ちたいと思ったから僕は薬学を学んだ。そして、実用的な薬を開発している。
最初の頃はバカにされたが、今では僕の作った薬は効きがいいと評判がいいらしい。
彼にも時々褒められるし、感謝される。
それだけで僕はとても幸せだった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!