企画・記念 3 「…出かけるの?」 制服を着こみだした玲さんに問いかけた。 だって、昨日帰ってきたばかりで、もっと一緒にいたい。 「ちょっと予定が出来てしまったんだ。でも、すぐに戻る」 不安そうな僕に優しく告げる。 「…僕も、一緒に行っちゃだめ?」 だって、少しでも離れていたくない。もう、離れたくないのに。 「すぐに戻ってくるから。帰ってきたら一緒にDVDを見よう。楓の好きなやつ」 優しくなだめるように言われたら頷くしかなかった。 「…早く、帰ってきて…」 玲さんはほっぺにキスをしてくれた。 「行ってきます」 「いってらっしゃい」 僕は手を振って送り出した。 消え去らない不安は胸の中で疼いてた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |