企画・記念 3 放課後、いつものように僕は学園の裏側の少し先に在る庭園に来ていた。 庭園には様々な花が咲き乱れている。 そして、その中央には大理石でできた屋根つきのベンチが存在する。 僕はそこにそっと横になった。 冷たい大理石の感触が全身を包み込む。 毎日、僕はここを訪れる。 昔の約束を守り続けている。 そのために、僕はここに残っているのだから。 期待と、絶望が罪重なる日々を耐え続けている。 たった一つの希望があるから。 太陽が、沈み始めても、僕がそこから動くことはない。 空に月が輝き始めて、やっと体を起こした。 「…また、明日来るね」 誰もいないその場所に僕の声だけが響き渡った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |