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企画・記念
2
 教室に着くと、周りの生徒たちは静かに自らの席に座っていた。
 担任はまだ来ていない。
 いや、来るかも分からない。
 彼もまた、転入生の信者だから。
「おはよう、楓」
「おはよう、三沢」
 僕は挨拶してきた友人に言葉を返す。
「今日も来そうにないな」
 三沢は苦笑を浮かべる。
「そうだね」
 僕はそう返すしかなかった。
 もう、諦めていたから。
 その時、教壇側のドアが開いた。
「点呼とるぞ〜」
 だるそうに入って来たホストのような男性。久しぶりに現れたそいつが僕たちのクラスの担任だった。
「全員いるな、今日は連絡はない。俺に迷惑かけるなよ。あと、光に手、出したらどうなるか、わかってるな」
 担任はそう言って睨みつける。
「よし、じゃあ、終了」
 そう言ってまた去っていった。
 何のために来たのかわからない。
「いちいち牽制なんてしなくてもあんな奴狙うもの好きはいないだろ」
「そこまで追い詰められてるんだろうね」
 僕はどうでも良さそうに答える。
 いや、実際どうでもいいのだ。
 もう、期待なんてしてないから。
 その日一日を無事に過ごせればそれでいい。


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