企画・記念
3
久しぶりに帰って来たアルフォートの隣には、自分より少し幼い少年が立っていた。
彼はどこか怯えたようにアルフォートにくっついている。
「ノエル、君の弟になる子だよ」
アルフォートはそうノエルに告げた。
ノエルは頭がついていかない。
「クレノ、挨拶」
アルフォートは優しげに彼に話しかける。
「…はじめまして」
クレノは小さな声で告げる。
「はじめ、まして…」
ノエルは戸惑いながらも挨拶をする。
その間も、アルフォートはクレノの頭を撫でている。
ノエルは胸が苦しくなるのを感じた。
「ノエル」
その時、アルフォートがノエルを呼んだ。
ノエルは顔を上げる。
「クレノのこと、頼んだよ。ノエルは兄なんだから」
アルフォートはそう告げた。
「…はい」
ノエルは、頷き、そして、少しだけ俯いた。
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